この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のル・ノーブル編集部が、ティータイム・重陽にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。
イギリス王室でお茶を楽しんだ最初の王妃と言われているキャサリン王妃。彼女はポルトガルの王室からイギリスの王室に嫁いできたときに、お茶を飲む習慣が生まれたといわれています。キャサリン王妃がチャールズ2世のもとに嫁いだ1662年には、既にポルトガルでは中国茶が飲まれていたそうです。
1850年には、ついに史上はじめてその年に摘まれた新茶がヨーロッパに届けられました。12月3日アメリカの新鋭帆船オリエンタル号が、1500トンの新茶を積み込んでなんと95日でロンドンに入港し、なんと船価の2/3にも及ぶ運賃を稼ぐことができました。このニュースはイギリスにとって大きな衝撃となり、このティーレースに参戦すべく、たくさんの紅茶輸送のための快速船ティークリッパーが多数建造されティーレースはさらに加熱していきました。中でも「グレートティーレース」として語り継がれる競争が1866年に行われます。「ギブリビングストン商会」によりチャーターされたタエピン号など、新茶を満載した9隻のティークリッパーが5月29日から6月6日の間に福建省を出航していきました。9月12日の朝、最初にロンドンの港に到着し、約100日間のレースを制したのはタエピン号で、2着のアリエ-ル号が到着したのはたった20分後のことでした。更に3着のセリカ号も1着に遅れることわずか1時間30分という、稀にみる激戦でした。
スコッチウィスキーの銘柄としても知られる「カティーサーク号」は史上最速の帆船と言われ1869年に進水しましたが、同年に開通したスエズ運河が蒸気船の通行しか認めなかったため、茶葉の運搬は次第に蒸気船が担う様になり、ティークリッパーの時代は終了します。
大航海時代、ティーレースにはたくさんの人の夢や期待が積み込まれていた気がします。少しでも早くおいしい紅茶を届けるため、さまざまな工夫が行われてきたことでしょう。こうやって紅茶の出来事を書いているとなんだかおいしい紅茶が飲みたくなってきました。
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