豊かな暮らしへの第一歩

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のクリエイティブ担当松田が、皿・ランプ・クリスマスにまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

単に寝る場所としての役割が大きかった旧居から、新居では丁寧な暮らしへシフトしたいと試行錯誤する日々が続いています。

年末に控えた引越しもいよいよ大詰め。

期待に胸を膨らませながら、「テーマはミニマルと余白だな」と居心地の良い空間づくりに励むものの、なかなか部屋のイメージが固まりません。

レイアウトの参考に色んな雑誌を読み漁っても、戸建てや注文住宅の紹介、または海外のアパート特集などが多く、賃貸物件に住む私には取り入れるのが難しい技ばかり。ただ、10数冊目に手に取った本で、ようやく解決の糸口を掴めました。

そこには、まず初めに“自分たちがどう過ごしたいのか”を設定することが大切だと書かれていたのです。正直、ハッとさせられました。デザイン性や機能性よりも、自分たちの理想のライフスタイルを叶える手段として、レイアウトを考えるという発想に。考えてみて思いついたのは、「朝は自然光で目覚めたい」「あえて少し窮屈なスペースで読書や考えごとに耽る時間が欲しい」「就寝前は優しい色合いのダウンライトのみでリラックスしたい」など。

そして、過ごし方から逆算すれば、必要なレイアウトや家具が自然と決まっていきます。窓際にベッドを置いて、カーテンよりも採光量を調整しやすいブラインドを付けてみよう。どうにもならないデッドスペースに小さなイスとサイドテーブルを置いてみよう。リビングやベッドルームの所々に、フロアランプまたはテーブルランプを散りばめてみよう。と、今までにはなかったアイデアが出てきます。

さらに本には、“よくあるレイアウトの固定概念”に対する注意書きもありました。具体的には、テレビからレイアウトを考えてはいけないということ。よくあるのはテレビ線の位置を確認してから、テレビとテレビ台の位置を決めて、その前にローテーブルとソファを置く流れで、レイアウトを考える方法です。しかし、これら一式を配置するだけで、リビングの大半のスペースを占有してしまいます。

見逃し配信やサブスクリプションで、ほとんどの動画コンテンツを視聴できる時代だからこそ、テレビがなくたって困らないはず。置いて当たり前だと思っていたテレビを置かないことで、レイアウトの自由度がぐんと増しました。

テーブルウェア選びだって、当たり前に捉われなくても良いのです。「重ねて収納しやすいように同じプレートを選ぶ」「どんな料理にも合わせられやすい無地の器を選ぶ」など、便利さや使いやすさだけに捉われていてはもったいない。

私のテーブルウェア選びの基準は「この器で食べるとごはんが美味しそう」と思えるかどうか。まずは、よく食べる料理に合わせて、お気に入りの器から選ぶようにしました。例えば、パスタがそのひとつ。平皿では具材を上手く盛り付けられないため、深皿をセレクト。さらに、麺の黄色や大好きなトマトソースの赤色を意識しながら、パスタ皿の色を決めています。そのほかのアイテムは、主役のテーブルウェアの“色の系統”と“質感・肌触り”にゆるく揃えるようにして、全体の統一感も忘れません。

そこで今回は、【私の暮らしに欠かせない食 BEST3】をテーマに、各々の料理や時間をより美味しく演出してくれるテーブルウェアをセレクトしてみました。

ボタニカルな印象の深いグリーンが見ていて心地よい、そのインスピレーションがセレクトの決め手。トマトソースとも色の相性が良さそうで、盛り付けしやすい深さもポイントです。程よい光沢感がありながら、優しい雰囲気を放っています。

私の暮らしには、手軽なコンビニの品をはじめ、スイーツが欠かせません。特に好きなチーズケーキやバニラアイスに合いそう!とちょっぴり特別感のあるアイテムをセレクトしてみました。日本の陶器界でもターコイズは人気カラーですが、ガラス素材でこの色目は珍しいでしょう。

面倒くさがり屋の私にぴったり。ダイニングテーブルと色味が近く、マットな質感で悪目立ちしないため、少しの間テーブルに放置していても気になりません。作業の手間を省き、生活を楽にするための器選びも、立派なひとつの理由です。

年末年始には大掃除のついでに、部屋の衣替えを試してみる方も少なくないでしょう。そこで皆さんもぜひ、“自分たちがどう過ごしたいのか”を考えてみてください。理想のライフスタイルを考えることで、自分の中にある豊かさが何かも発見できるはず。部屋の衣替えと合わせて、食卓を衣替えするのもおすすめですよ。

※ ご覧の時期によって価格等ご案内の情報が異なる場合がございます。最新の情報は各店舗にてご確認ください。

ABOUTこの記事をかいた人

「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。