この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のクリエイティブ担当・松田が、マグカップ・マグ・重陽にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。
戦後、子ども向けコンテンツとして定着してきたアニメですが、今はもう大人向けのサブカルチャーに変遷を遂げています。その影響から緻密性が求められるようになり、1990年代からは現実の風景をモデルにアニメが描かれることが多くなりました。
アニメの舞台となった地に人が集まる。
その中でも、面白い事例だと感じたのは『やくならマグカップも』というアニメ。原作は岐阜県多治見市を中心に配布されているフリーコミックで、2010年頃に「この街を元気にしたい」と地域づくりを目指して多治見市の呼びかけで始まったそう。
その内容は名産品の「美濃焼」をテーマに、女子高校生たちが陶芸に打ち込む姿を描いた青春ストーリー。また、ユニークな構成も見逃せません。放送枠の前半はアニメ、後半はメインキャストの声優さんが出演する街ぶらロケを流すことで、地域の魅力や焼き物の文化を発信しています。
そして、岐阜県はアニメ映画『君の名は。』を中心に他の人気アニメの影響もあり、聖地巡礼者の数は100万人以上、経済効果は253億円にものぼるとか…。『やくならマグカップも』に関しては大手旅行会社とコラボして、陶芸の名所を巡りながら実際に体験もできるツアーを組んだりしています。
この事例は多治見市のみならず、他の地域でも活かせるはず。石川県能美市「九谷焼」や福井県丹生郡越前町の「越前焼」、滋賀県甲賀市の「信楽焼」、佐賀郡西松浦郡有田町・伊万里市の「伊万里焼・有田焼」、長崎県東彼杵郡波佐見町の「波佐見焼」など、多くの窯元は地方に点在しています。
もし、このような地域の風景をモデルにしたアニメが誕生して、地方への観光人口が増えれば、器の“消費価値”に止まらず“体験価値”が生まれます。オンラインで「物」は買えますが、手で触れたり、作り手の話を聞いたり、実際に自分で作ってみたり…これらの体験はやはりオフラインでしか味わえません。
きっと一人の誰かが陶芸作家を志した背景にも、何かしらの原体験があったはず。そう考えると、アニメは地域性の高い伝統工芸に対して、新しい買い手と、新しい作り手も生み出すきっかけになる可能性を秘めています。まさに、『やくならマグカップも』は、作り手不足や発信の難しさが叫ばれる伝統工芸を、地域発のアニメにより受け継いでいく試みだったといえるでしょう。
アニメを観ていると「お気に入りの器でホッとひと息つきたいな」とマグカップを新調したくなってきたので、いくつかユニークなマグカップをご紹介します。
一見、シックで落ち着いた雰囲気のドグレーヌ パリ「イリュージョンズ」は、まるで
湯呑みのようなマグカップ。土の優しい手触りが心地よく、どこか日本の陶器のような素朴さも。温かい飲み物を注いでみると、一変! 見る見るうちに器の色が変わり、ピンク、白、水色…と元々の姿を忘れてしまうほど、鮮やかな姿に変化します。
昭和レトロ好き必見。ワンアイテムで純喫茶風おうちカフェを堪能できるアンバー色(琥珀色)のノスタルジックなデザインは、1960年代昭和の喫茶店で多く使われていた吹きガラスのグラスをモチーフに。コーヒーはもちろん、手作りパフェやアイスクリーム、プリンアラモード、あんみつなどを乗せても、心トキメクかわいいビジュアルが完成します。
皆さんも、子どもの頃に見た作品を含めてお気に入りのアニメがあれば、ぜひ聖地巡礼へ。その地に伝統工芸が根付いていれば、窯元巡りや陶芸体験を通じて新しい自分との出会いが待っているかもしれません。
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