アップサイクルな器 — サステナブルな食卓

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のクリエイティブ担当松田が、新春・サステナブル・テーブルコーディネートにまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

改めて、いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。年末年始といえば、忘年会や新年会、年越しそばや初詣、そして新年の抱負よりも、まず初めに断捨離を思い出す松田です。メルカリさんにはどれだけお世話になってきたか…もう足を向けては寝られません。

そういえば、SDGsの実現に向けてリユース業界が消費者からも人気なようで、なかでもZ世代の「どういう基準でモノを買いますか?」というアンケートでは、「サステイナブルな素材かどうか」の項目がランクインしていた記憶もあります。

メルカリをはじめとしたCtoCサービスも立派なリユースシステムのひとつ。また驚いたのは、引越しで粗大ゴミを出そうと行政のオンライン予約サービスを利用したときに、ページを進めている途中で「捨てる前にジモティーで売ってみませんか?」とバナーが出てきたことです。まさか、ここまでリユースの波が来ているとは。官民連携しながら、消費者にとっても有益なリユースサービスを推進するのは素敵なことですね。

また、近年は身近にできる“アップサイクル”な手法として金継ぎが再注目されています。思い立ったが吉日、私も影響を受けて、ヒビが入り処分する予定だった器を金継ぎすることにしました。

そもそも、アップサイクルとは、使わなくなったモノにデザインや機能をつけて新しいモノにアップデートすることです。分解が必要なリサイクルとも、再利用するリユースとも異なる、新たなサステイナブルな資源再生の方法です。新しいブランディングの形として特にファッション業界でアップサイクルはトレンドになっています。

この現代的な流れに、室町時代から伝わる日本の伝統技術・金継ぎがフィットする時代のコントラストも面白いと感じます。アップサイクルで生まれたモノは、いわば世界でその人だけのオリジナルアイテム。デザインだけではなく、思い出も含まれていますから、誰かに価値をつけられるものではありません。

金継ぎの魅力を充分に理解したものの、器のヒビを漆で接着し、金粉で装飾するなんて技術は持ち合わせておらず・・ひとまず、素人でも金継ぎができる簡易キットが販売されていたのでポチッと購入。ワクワクしながら到着を楽しみにしています。

さらに、アップサイクルな器も続々と創られています。例えば、津軽びいどろがサステナビリティ事業を展開する会社とタッグを組んで、飲食店で不要になったジョッキなどを新たなタンブラーとして製品化。他にも、1908年に洋食器メーカーとして創業したニッコーさんはがお風呂の補修用に保存していたタイルを使用した器を生み出しています。

※ ご覧の時期によって価格等ご案内の情報が異なる場合がございます。最新の情報は各店舗にてご確認ください。

ABOUTこの記事をかいた人

「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。