<陶磁器の展覧会>

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のクリエイティブ担当松岡が、ロイヤルコペンハーゲン・マイセン・ペンにまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

今年は例年以上に陶磁器がメインの展覧会が各地で開催されているのをご存知でしょうか。陶磁器とひとことで言っても、とても幅が広く奥の深い世界です。色鮮やかで豪華なもの、趣を楽しむもの、装飾品、日用品、大きいもの、小さいものと本当に様々。

●「ロイヤルコペンハーゲンのアール・ヌーヴォー」

名古屋市・ヤマザキマザック美術館 ~8/25まで

19世紀に釉下彩(ゆうかさい)という技法を確立し、優れた発色と装飾性の高い焼き物を生み出したロイヤルコペンハーゲン。器以外に子どもや動物のフィギュリンも得意です。こちらの展覧会ではタイトル通り、アール・ヌーヴォー全盛期に作られたやわらかな風合い、つるんとした質感の動物のフィギュリンや器が沢山…どれも「可愛い!」と言わずにいられない愛らしさで溢れています。犬や猫はもちろん、昆虫、魚、爬虫類まで多種多様で、どの作品からも共通して醸し出される上品な雰囲気には流石の一言です。

魅了する煌めく薩摩

名古屋市・横山美術館 ~10/31まで

「薩摩」とはその名の通り鹿児島で作られた焼き物「薩摩焼」を指しますが、実は海外で薩摩焼が「SATSUMA」と呼ばれ一大ブームが起き、日本各地で薩摩焼風の焼き物を生産・輸出していた時代があるのです。ただ、短いブームの終結と共に工房も廃業、当時の品や資料もあまり残っておらず「幻」「謎の多い焼き物」ともいわれています。

こちらでは各地の薩摩風の焼き物を産地別で展示しているのですが、その土地の文化や気質、立地の特徴が現れているのがとても興味深かったです。例えばル・ノーブル本社がある京都の「京薩摩」は、より華やかで繊細な絵付けを特徴とし本当に息をのむ美しさ。また名古屋薩摩には他の産地にはみられない驚きの特徴が。きらびやかな陶磁器が好きな方には是非おすすめしたい展覧会、美術館です。

東京・パナソニック汐留美術館 ~9/23まで

1つ目のロイヤルコペンハーゲンと同じく、アール・ヌーヴォー期のマイセンの動物作品を中心とした展覧会です。こちらは身近な可愛らしい動物だけでなく、大自然に生きる野生動物のリアルな作品も多く展示されていました。動物の筋肉や骨格、毛の立体感まで非常に細かく観察・表現されていて、本当に今にも動き出しそうなくらい。造形のみならず、作品をより引き立てる絵付けも見事です。またマイセンを代表する小さく可憐な花を敷き詰めたスノーボール装飾の作品や、豪華絢爛な大型の装飾品の数々は、驚くほど細部まで作り込まれており、一点一点時間をかけて鑑賞したくなるはずです。※2020年に愛知・岡山での巡回展が予定されています

以上、3つの展覧会をご紹介しましたが実はどれもル・ノーブルにも馴染みのあるブランドばかり。事前に多少の知識はあるつもりでしたが、実際に作品を目にして解説などを読んでいくと知らなかったことだらけで全く新しい世界のように感じました。新たな知識を得てから商品を見ると、また違った魅力を楽しめそうです。

※ ご覧の時期によって価格等ご案内の情報が異なる場合がございます。最新の情報は各店舗にてご確認ください。

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「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。