この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のル・ノーブル編集部が、歴史・七夕にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。
皆さん最近夜の星空をゆっくりと見た事がありますか?よくよく思い返してみると、何年も星空を見ていないな、そんな方も多いのではないでしょうか?
先日、3歳になる我が子を初めてプラネタリウムに連れて行きました。普段は隙あらばおしゃべりをしたり、じっとしていないタイプの我が子が、じっと目を凝らして浮かんでくる星座を眺め、自分の知らない世界、星空の神秘性を小さな体で体感しようとしている。そんな姿を見て、自分自身小学生の頃、夏休みにキャンプに行き、飽きもせずに1時間も2時間も星を見ていた事を思い出しました。
今考えてみると、大人になった今よりもあの当時の方が宇宙を身近に感じていたような気がします。
我が子も徐々に自我が出て、自分の空想の世界が広がりつつある模様。今年の夏はどこかキャンプに出掛けて、満天の星空を子どもに体験させてあげたいと思います。
☆星座の歴史古来から人々は星に神秘を感じ、祈りを捧げ、また星の動きによって天文学を学んできました。
最古の星を記録した壁画は、フランスのあのラスコー壁画(1万5千年~1万年前)と言われています。おうし座のすばる、夏の大三角を模写したと考えられている黒点が見つかっていますが、星座の原型ができたのは、今から5千年前のメソポタミア文明期と考えられています。当時の民族の伝承に星空を「天の羊の群」、明るい星を「羊飼い」と見立てたものが残っています。
その後、エジプトでも天文学の発展とともに星座が重視されるようになってきます。エジプトは太陽の通り道にそって36個星座をつくり、時を測りました。1年間が365日という現在も使用している太陽暦もこの時に生まれました。
クレオパトラが新婚旅行で行ったというエジプトのデンデラ遺跡のイシス神殿の天井にはほとんど完全な全天の星座が描写されています。
また1年間は12か月、1週間は7日、1日は24時間、角度の1週は360度など現在の常識となっている単位は、今から約3000年前にカルディア人(今のシリアあたりにいた遊牧民)達によって作られたと言われています。
こうして天文学を基礎として様々な星座が作られていきました。
その後、ギリシャに伝わった星座の知識は空想力豊かなギリシアの詩人や哲学者・科学者によって次第に、ギリシア古来の神様や伝説、西アジアの多方面に古くから伝わる神話や伝説の神々、英雄などを星座の中に当てはめていきます。それが、絢爛豪華な星座神話の始まりにとなっていくわけです。
さて、ここからは夏の星空の中で有名な星座が、どのようなギリシャ神話から生まれたのか掘り下げてみましょう。星それぞれがもつストーリーを知ると、ふと夜空を見上げた時、星空に広がる壮大なスケールの物語を感じる事ができるかもしれません。
ル・ノーブルにはギリシャの芸術家達が創るギリシャ神話をモチーフにした作品があります。夏の星座の由来を探りながら、ギリシャの芸術家達が神話をいかに表現しているかも覗いてみましょう。
ギリシャの芸術家達が集まった工房「Glassious」
☆わし座夏の夜空で最も有名なものが天の川。その天の川をはさんでかがやくのが、七夕伝説の織り姫星と彦星です。織り姫星はこと座のベガ、彦星はわし座のアルタイル、そしてこの2つの星にもう1つ、天の川の中にかがやくはくちょう座のデネブをくわえると、“夏の大三角”ができあがります。
彦星で有名な「わし座」は全能の神ゼウスと密接に関わっています。トロイアの美少年ガニメデスをさらう時にゼウスが変身した姿だという由来や、ゼウスが放つ雷電の矢をたずさえる役目、毎日下界を飛び回り様々な情報をゼウスに伝える役割を果たしていたとも言われます。いずれにせよギリシャ神話ではゼウスに最も近い場所にいた神聖な動物として捉えられています。
わし座をモチーフにして創られた作品
☆いるか座夏の夜空には「いるか座」を見ることもできます。天の川が見える夜空であれば比較的簡単に見つけられるようです。
ギリシャ神話では海の神ポセイドンの使いと言われる神聖な動物です。音楽家アリオンが殺されそうになったところを、琴の音色に導かれたイルカの群れが現れアリオンの命を救った功績で星座になったと言われています。
いるか座をモチーフにして創られた作品
☆さそり座“夏の大三角”の中を流れる天の川をずっと南に向かって追っていくと、その西の岸に輝く明るい真っ赤な星。これがさそり座の心臓でかがやくアンタレスです。
さそり座の由来は、オリオン座と関係しています。
海の神ポセイドンの息子で、絶世の美男子でギリシャで一番の猟師と言われたオリオンが「天下に自分にかなう者はいない」と傲慢になったことに、ゼウスの妻であった女神ヘラが怒り、大さそりをオリオンのもとに差し向けました。オリオンはさそりの猛毒で殺され、そのまま天に昇り星座となりました。
この大さそりはオリオンを刺し殺した功績で天にあげられ、星座になりました。このため星座になってもオリオンはさそりを怖れ、「さそり座」が天に昇ってくる夏にはオリオン座は地平線の下に隠れてしまいます。こうしてオリオンと蠍は一年中追いかけっこをしていると言われています。
ちなみにオリオン座の由来は諸説あります。オリオンの恋人であった月の女神アルテミスが、二人の付き合いをよく思っていない兄アポロンの企みによって、海の中を歩いていたオリオンを誤って弓矢で射抜いてしまいます。悲しみにくれたアルテミスがゼウスに頼み、オリオンを星座にしてもらい、自分が夜空を走る際にオリオンと会えるようにしてもらったというお話です。
さそり座をモチーフに創られた作品
女神ヘラをイメージして創られた作品
女神アルテミスをイメージして創られた作品
人類と切っても切れない関係の星たち。ピノキオの名曲「星に願いを」坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」その他、数々の星にちなんだ名曲があります。
皆さんも今年の夏は、久しぶりに夜の星空を見上げてみませんか?
今回のコラムは米山が担当しました。
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