Leap Year Proposal

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のル・ノーブル編集部が、バレンタイン・歴史・立春にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

地球が実際に太陽の周りを一周するのに要する日数は約 365.242199 日。平年を365日とする太陽暦では、季節と暦にずれが生じるため、実際の季節と暦が合うようにほぼ4年に一度、二月に一日を加えるようにして調節をしています。

今年、2012年は4年に1度, 2月が29日まである「閏年(うるう)年」。

閏は「余り」「余分な」とい言った意味を持ちます。「うるう」という読み方はよく似た漢字の「潤う(うるおう)」からきたとか。

うるう年は英語で言うと、「Leap Year」。Leapは「跳ねる」、「飛ぶ」の意。平年は同じ月の同じ日は一年に一曜日ずつずれていくのが、うるう年にはニ曜日がずれるため、曜日を飛び越えたように見えることからこう呼ばれるようになりました。

ヨーロッパではその昔Leap Day, つまり4年に一度くる、2月29日限り、女性から男性にプロポーズをすることが許され、プロポーズされた男性は、それを断ることができない。という、うらやましいような、恐ろしいような「Leap Year Proposal」という風習があったそうです。

この風習は、5世紀頃中世アイルランドで、男性からのプロポーズを嫌というほど長い間待ち続けなければ、ならないという当時の女性の窮状を聖ブリジットが聖パトリック(※それぞれアイルランドの三守護聖人のひとり)に訴えたところ、対策として4年に1回やってくる、うるう年の1年間に限り、女性からの求婚が認められたという話に由来しているとの説があります。

さらに、1288年には、スコットランドのマーガレット女王より、Leap Year Proposalを拒否した男性に対し、ペナルティーとして女性に代償を支払うという法律が発令されます。代償は1ポンド、絹のガウン、はたまたキスといった類のものでしたが、1年間科せられるペナルティーの厳しさに、困り果てた男性を救うため、後にLeap Year Proposalは4年に一度、2月29日のLeap Day一日に限られるようになります。

当時、ヨーロッパ中に広まったといわれている、Leap Year Proposalの風習ですが、現在では、もちろん法律的な効力はなく「Leap Dayは女性から男性にプロポーズをすると幸せになる日。」と人々の間ではいわれています。

今よりもはるか遠い国であった、ヨーロッパのユニークなうるう年の風習は(残念ながら?)日本に伝わるまでにはいたりませんでしたが、女の子から愛を告白する”バレンタインデー”、バレンタインデーの返答の”ホワイトデー”なる、日本における近代の風習は5世紀、聖ブリジットの勇気ある、進言からはじまった中世ヨーロッパの風習にもチラッと想を得ていたのかもしれませんね。

バレンタインデーの特集Leap Year にちなんだ小物(うさぎ、かえる特集)とか

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「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。