この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のクリエイティブ担当・松田が、ジノリ1735・歴史・端午の節句にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。
当時は大正モダンの象徴であったレンガ建築も、現在ではレトロとして注目されるように。
生きるうえでの“豊かさ”とはどこから生まれるのか。
その答えは生活に必要な必需品や文化の反対にある、
嗜好品やサブカルチャーを味わうことに集約されるのでは?と考えています。
つい先日、『レンガ建築』をテーマにしたマニア向け記事の
取材・執筆を担当して気づいたことがあります。
「物事をよく味わうためには、歴史を紐解くこと大切なんだ」。
レンガ建築も日本近代建築史の1ページとして歴史を辿っていくと、
文明開化によるヨーロッパ風の意匠を取り入れる動きや
頑丈で燃えない機能から木材に変わる建築材料として利用された過去がありました。
ただその文脈も時代により変化して、
では嗜好品の1つである洋食器の歴史は?
洋食器磁器大きく2種類に分かれています。
ここからはさらに洋食器を味わうために、
磁器が普及した近世ヨーロッパ以降の洋食器の変遷を見ていきましょう。
ポイントになるのは洋食器の“様式(スタイル)”です。
様式とは、工芸をはじめ建築や絵画など芸術作品において、
ある時代・地域・民族に共通する形式に基づいて作られた表現方法のこと。
洋食器のデザインも少なからず様式の影響を受けています。
洋食器の様式上の特徴は歴史が古い順に
『バロック』『ロココ』『ネオ・クラシック』『コンテンポラリー』の4つに大別できます。
ここではまずバロック様式をご紹介します。
バロック様式は17世紀初頭から18世紀中期にかけて、
ヨーロッパで一世を風靡した様式です。
バロックという言葉の語源はポルトガル語の「歪んだ真珠」。
15〜16世紀の端正で均整のとれたルネッサンス建築に比べ、
複雑な構成と過剰な装飾を持つこの時代の建築を、
軽蔑の意味を込めて呼んだことが由来になっています。
その特徴は豪華・華麗・不整形・楕円形モチーフなどが挙げられ、
重厚感があり躍動的で、機能性よりも装飾に重きをおいたデザインです。
バロック様式からデザインソースを受けている洋食器の1つの特徴として、
レリーフ(浮彫)があります。
代表的な例はジノリ1735の『ベッキオ ジノリ ホワイト』。
なかには絵柄がほかの様式でリムだけレリーフになっている場合もあります。
また幾何学模様やアカンサスの葉装飾、
カップに付く金のハンドルもバロック様式のデザインです。
洋食器の歴史の幕開けでは磁器の持つ美しさから“持つ豊かさ”を求め、
ヨーロッパ中に普及して実用的になってからは“使う豊かさ”が求められるように。
集める、並べる、盛り付ける。
どんな目的であっても、洋食器は人と食卓に豊かさを与え続けています。
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