2010年代の終わりに

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のクリエイティブ担当佐々木が、クリスマスにまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

ひとつは、毎年六甲山で開催される現代アートのイベント「六甲ミーツ・アート芸術散歩」を体験できたことです。

2019年12月1日コラム

今年も残すところひと月となりました。

毎年のことですが、やり残したことがいろいろとあります。

なんとかひとつでも減らそうと、あくせくするばかりの毎日です。

ただ今年は、プライベートの面で数年来してみたかったことができました。

10回目を迎える今年のイベントは、六甲山中11か所の会場に、42組の作家によって作品展示やワークショップがおこなわれ、期間中の来場者は2万人を超えたようです。

錦秋の美しい風景のなかに溶け込むように点在するユニークなアート作品の数々はどれも力作ぞろいでした。とくにわたしのお目当てだったのは、六甲ケーブル山上駅にほど近い「風の教会」の展示です。

風の教会は、安藤忠雄氏の手により設計され、大阪の「光の教会」、北海道の「水の教会」ともに、教会三部作として知られます。コンクリート打ちっぱなしのきわめてシンプルな空間に厳かで静謐な空気が漂うなか、世界的に知られる現代芸術家、榎忠(えのき ちゅう)の作品が圧倒的な存在感をもって迫ってきました。

榎忠は、独学でアートの研鑽を積み、サラリーマン生活のかたわら、作品を発表してきた作家です。旋盤工としての技術を駆使し、金属廃材を用いた作品で知られます。今回の展示では、鉄を溶接する際に使われる補助材「エンドタブ」を素材にした作品を観ることができました。

夕暮れ迫る静かな教会の椅子に座り作品を眺めながら、念願のイベントに来ることができたことを喜びつつも、ほかにも残り少ない今年のうちにやっておきたいことが頭をめぐります。

たとえば、旅行したいとか、友人とバーベキューをしたいとか、あるいはコーヒーの名店を飲み歩きたいとか…。どれも些細なことですが、コーヒーについていえば、東京・南千住の名店「カフェ・バッハ」に以前から行きたい行きたいと思ってきましたが、先日も行きそびれました。毎年東京出張で近くまで接近するものの、タイミングが合わず、コーヒーを味わうことができないのです。

残りひと月あまりの間に勇躍お店を目指すことはできそうにないのですが、しかし今年は秘策があります。ご存じの方も多いかと思いますが、昨年カフェ・バッハ店主の田口護氏の監修で全自動のコーヒーメイカーが発売されたのです!

搭載されたコーヒーミルは微粉を抑えて粒度を揃えることができ、また抽出温度は83度と90度から選択可能、蒸らし時間と湯量も設定でき、さらにお湯の注ぎ方にもこだわりぬかれた逸品です。このコーヒーメイカーがあれば、南千住までの遠い道のりが少しでも縮むこと間違いなしです。

六甲の教会で決意を固めましたので、かならず今年の年末はこだわりのコーヒーメイカーで淹れたコーヒーを愛用のカップ(もちろんル・ノーブルで購入)で味わいながら、来年の東京出張の戦略を立てたいと思います。

※ ご覧の時期によって価格等ご案内の情報が異なる場合がございます。最新の情報は各店舗にてご確認ください。

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「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。