いよいよ2021年の幕開けとなりました

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のクリエイティブ担当佐々木が、歴史・新春にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

さて、新しい年の始まりということで、一年の計画や目標を立てられる方もおられると思います。

いよいよ2021年の幕開けとなりました。

いまだ緊張感のある世情ですので、できることにも何かと制限がかかってしまいますが、個人的な計画としては、読まずに溜まった焼き物関係の本を一冊ずつじっくりと目を通して、改めて食器の歴史を勉強してみようと思っています。

そんな気になったのも、昨年琵琶湖を訪れた際に、焼き物の歴史の奥深さを痛感したからです。以前から一度行ってみたかった彦根城博物館には、有名な「井伊の赤備え」などの甲冑や刀剣など井伊家伝来の名品に並んで、見たことのない焼き物の一群が展示されていました。

赤絵や青磁、染付や金襴手などヴァリエーション豊かな作品の数々で、その意匠も繊細なものから大胆な構図のものまであり、工芸品としての完成度が極めて高いのには驚かされました。さらに博物館の説明書きには、これらすべて江戸時代の彦根で焼かれたものとあったので、二度びっくりです。

彦根藩によって江戸後期のほんの一時期だけ作られていた「湖東焼」が知る人ぞ知るまさに「幻の名窯」と呼ばれる存在であることを初めて知りました。伊万里、瀬戸、九谷といったいまも続く一大産地だけではなく、日本にはすでに失われてしまった焼き物の伝統があることに気付かされた体験となりました。

日本の焼き物の歴史は、想像以上に複雑かつダイナミックなもので、これが我が国を越えて世界全体を視野に入れたセラミックの歴史なると、まさに人類史を俯瞰するような壮大な叙事詩そのものであるといえます。

そんな一大叙事詩のほんの一端でもこのコラムのなかでみなさまにお伝えしていこう。年頭に臨んでちょっと背伸びをしてしまいましたが、これが今年の目標です。

ところで、今月、全国の映画館で『陶王子 2万年の旅』という作品が封切られます。人類2万年におよぶ焼き物の歴史を描いたドキュメンタリー作品で、ナレーションは女優・のんさんが務めておられるようです。興味のある方はぜひご覧になっていただきたいと思います。

それでは本年も、みなさまの食卓を豊かなものにできるよう一同全力で邁進して参りますので、ル・ノーブルとティータイム通信をどうぞよろしくお願い申し上げます。

※ ご覧の時期によって価格等ご案内の情報が異なる場合がございます。最新の情報は各店舗にてご確認ください。

ABOUTこの記事をかいた人

「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。