年の暮れの「トシ」の話

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のル・ノーブル編集部が、新春・歴史・クリスマスにまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

古来より、「年(トシ)」とは「稲、稔(穀物)」をさし、1年のサイクルはそのまま農耕のサイクルに一致していました。トシの変わり目には、皆で年の神(先祖の霊など)を迎え、新しい年の豊作を祈願しました。

年の暮れの「トシ」の話。

12月です。年(トシ)も暮れです。

全国各地の初詣はその年篭りの名残りといわれ、京都には現在にも古の年篭りを彷彿とさせる習俗が残っています。京都で年末を過ごした方ならご存知の「おけらまいり」がそれです。大晦日の夜、八坂神社の御神火を吉兆縄にいただき、(その火が消えないように)縄をクルクル回しながら家に持って帰る。その習俗は京都の年末の風物詩ともなっています。年の神からその神の魂の象徴である火を頂く。それは「お年玉(年の魂)」の由来のひとつともいわれています。

ちなみに、お歳暮とは、年の暮れに、先祖の霊が祭られる一族の本家の祭壇にお供えを届ける習慣が始まりのようです。また、年の初めに「年の神」から「年玉(年の魂)」を分けもらい、皆で一緒にひとつ歳(トシ)を取るのが「数え年」。今は誕生日に個人ごとに歳をとっていく「満年齢」、「数えでいくつになります。」という言い方も最近はほとんど聞かなくなりました。

さて、村人~一族が一同で年末年始を過ごし、年の神を祭ったのも今は昔。自由で気ままな個人主義的?なライフスタイルが主流になり、年末年始を一緒に過ごす人数もだんだんと少なくなりつつあるのではないでしょうか?これからの年末年始、クリスマスやいろんなパーティー・イベントを利用して、たくさんの人と一緒に楽しい時間を過ごせるといいですね。

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「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。