魅力的なハーブ「ユーカリ」

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のショップスタッフ由里が、ベース・グラス・ピッチャーにまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

仕事帰り通る駅の上に花屋さんがあり、色ごとに分けられ並んでいる花を見るとつい、立ち止まります。切り花として売られている花を見て、今からくる季節を感じる事もしばしば。”そんな色とりどりの花と、目立たずも必ずあるのがグリーンの葉や枝もの。”ほんの少しでも植物を飾り、日々変わる姿を眺め、活け替えるだけで気分転換になります。

最近、見かけると迷わず買うのがユーカリの枝。爽やかな香りで、スモ―キーな濃淡のグリーン、シルバーに近いグリーン、葉の丸いもの、ハート形のもの、尖ったものなど様々。大きい枝ぶりなら、深めのベースにバサッと投げ入れるだけでお洒落な佇まいに。透明なガラスのベースで足元まで見えるのもまた良し。ピッチャーや綺麗なワインボトルなどもベースの代用になります。水に葉が浸かると見た目もそうですが、水も悪くなりやすいので予め落とします。落とした小枝は、小さなベースやグラスに入れてキッチンや洗面台に。涼しければ1カ月ほど持ちます。

葉がヨレっと乾いてきたら水を流し、そのままドライで楽しんでもよし、麻紐やリボンで結んで、逆さに吊るしてスワッグ(壁飾り)にしたりと、長く楽しめます。北欧の暮らしの雑誌やネットでもよく見かける素朴でもありスタイリッシュなグリーンです。

観賞用だけでなくユーカリは、葉に油分を多く含み、精油にして爽やかな香り、気分を落ち着けるアロマオイルとして流通しています。他にもユーカリオイルは喉の炎症や、咳を鎮める効果があり、民間薬として世界的に広く使われています。ユーカリのハーブティーは血糖値を下げ、コレステロールの排出を促進するので糖尿病や高血圧で悩む人にも最適なハーブだそうです。これは最近知ったことで、是非試してみようと思うこの頃。

言わずとも知れたコアラの主食であるユーカリ、原産国はオーストラリア。種類は600種を超えると言われ、中でもコアラが食べる種類は30種ほど。偏食性の高いコアラは必要な栄養分がバランス良く含まれているユーカリのおかげで命をつなぐ事ができるそうです。

オーストラリアではブッシュファイアー(森林火災)はごく日常の自然現象と考えられています。ユーカリの原生林では葉に含まれるオイルが熱で気化し、常に大気中に舞っているので、一度発火すると枝葉や下草などにも瞬く間に広がり森林に立ち並ぶ樹木はもちろん、家屋までもが破壊されるニュースも耳にします。ところがユーカリの木は数千度の凄まじい火事でも枯死しません。それどころか森林に火が回ると、もっともっと燃え広がれと自ら樹皮を剥がし、枝葉を落とし火勢を強め他の樹木や草葉を全滅させてしまいます。ユーカリ自体も幹は炭のように真っ黒に焦げても、木そのものは生きていて、2~3週間もすれば新芽を出し枝を伸ばし、焼け野原になった地面の下からは過去に落下した種が発芽し、2年もすればユーカリ林全体がまた緑にもどる、再生、復活をする生命力の強い木なのです。以前、放映されていたテレビの特集を見て、そのしたたかさと、他と共存しない自然のサイクルに関心しました。

ユーカリは常緑樹なので、季節を問わず出回っています。そんな強い生命力を持つ樹木、でも見た目は素朴で可憐な枝葉のユーカリ、お花屋さんで見つけたらお部屋のインテリアとして取り入れてみませんか?

※大き目の枝を、個性的なベースやピッチャーに活けてみるなら

※小さな枝葉を飾るなら、こんなグラスがオススメ♪