ミラノ万博 2015

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のバイヤー板谷が、和・梅雨にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

渡って「ミラノ国際博覧会-EXPO Milano 2015」が開催されています。

イタリアのミラノでは、2015年5月1日から10月31日まで、184日間に

テーマは、ずばり「食」。世界の異なる地域での食糧不足、食育の問題、遺伝子組み

換えにいたるまで、食に関する幅広いテーマが扱われています。

日本館の出展テーマは、「Harmonious Diversity:共存する多様性」。

日本の農林水産業を取り巻く様々な取り組み、「日本食」や「日本の食文化」に

詰め込まれた様々な知恵や技が、人類共通の課題解決に貢献できるのではないか。

というものです。日本館は、日本人シェフによる本格的な寿司や懐石料理を体験した

いと長蛇の列ができるほど大人気だということです。うれしいですね。

ちょうど6月7日から11日までの5日間は、日本館で「京都ウィーク」も開催され

ました。オープニングイベントでは、京都産の酒米「祝」を使用した日本酒が振る舞

われ、宮川町の芸妓さん舞妓さんが舞を披露。また期間中は、京料理の実演や、日本

酒、日本茶の試飲、茶道体験、西陣織の職人によるつづれ織りの実演が行われるなど、

京都の様々な魅力が紹介されました。和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたこと

もあり、日本食や京料理への関心がさらに高まることが期待されています。

「食」について考えるとき、日本に生まれて良かった、恵まれているなぁとつくづく

感じます。私は、京都の「おばんざい」で育ちました。おばんざいとは、お番菜、お

晩菜、お万菜とも書くそうですが、その意味は、京都の一般家庭で作られてきたお惣

菜のことです。旬の素材を手間をかけずに美味しく調理し、無駄なお金も時間も労力

もかけずにゴミもあまり出さない。とても合理的な考え方です。特別なものではなく、

どの地方にもある料理だと思いますが、無駄な廃棄を減らし、自然に感謝して「もっ

たいない」の精神を育てるには、そういった昔ながらの料理を見直すことが早道なの

ではないでしょうか。

京都の料理は、特に贅沢な素材を使っているわけではなく、旬の素材を生かすために

「だし」にこだわったり、地味な料理を華やかに魅せる「技」も大切な要素になって

きます。「食」にまつわる仕事に関わっている私達も、より良い食文化を伝えることに

貢献していきたいと考えています。日本人の器への並々ならぬこだわりは、毎日の食

卓で健康に気遣って作るバラエティー豊かな家庭料理から生まれていると思いますし、

同じ食べる、飲むなら料理に合った器で美味しく。そんな感性を磨くお手伝いができ

るということが私達の仕事の魅力だと感じています。

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ABOUTこの記事をかいた人

「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。