物買ってくる 自分買ってくる

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のクリエイティブ担当松田が、茶碗・プレート・春にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

職人さん達が作る器だからこそ、良質なのだ。と、これまで作ることなんて1度も考えたことがありませんでした。

器は買うもの。作るものじゃない。

ただ、パートナーから「使い勝手の良い茶碗が欲しい!せっかくなら作りたい!誕生日だし、京都も行きたい!」と目を輝かせながらご要望をいただいたので、京都の窯元が開く陶芸教室でろくろ体験をすることに。

正直、考えが甘かったです。限られた45分程度の時間のなかで、造形美と機能をデザインするのはほぼ不可能。窯元のスタッフさん達が、とにかく上手く焼き上がることを最優先に、目の前のろくろに手を加える瞬間が幾度となく訪れます…。

楽しいけど、悔しい。どうして作る前にイメージしておかなかったのか。誕生日デートとはいえ、自分がモノづくりに触れる瞬間、没頭して成果にこだわることは目に見えていたはず。形・厚さ・色などを事前にと悔やんでいると、「楽しかったから良いんじゃないの」と笑顔を見せてくれたので、まあいいかと納得。

ただ、特に作っている最中考えたのは使用するシーン。「白ご飯って、いつもどれくらい盛っていただろう?」「茶碗の端は内にすぼむ方が食べやすい?いやでも、外に広がる方が美しい?」「明太子やキムチをご飯の上に載せたいから、ちょっと余裕があった方が良いか?」「そもそも、白ご飯を盛る以外にどんな時に使っていたっけ?」など、作りながらあれやこれやと脳内はフル回転。

如何せん、小学校の家庭科の授業でエプロンを作ることすらできなかった、不器用な男ですから。頭で考えながら、ろくろを回すなんてことはできないのです。だからこそ、事前に考えておきたかった…いやでも、余計なことを考えずに目の前のろくろに集中する瞬間は気持ちよかったです。

その後、京都・河原町から少し外れた川沿いにある静かな寺町でディナーを終え、帰路へ。その道中、ふと『物買ってくる 自分買ってくる』とは、よくできた言葉だなと身に沁みて知りました。今回の体験でいえば、器づくりを通じて、自分が見つかったといいますか。

言い換えれば、何かを探したり、偶然見つけたりして、「あ、これ良いな」と思う瞬間とは、自分を見つけている瞬間でもあると思うのです。“物買ってくる”には、この“探す”や“見つかる”も含まれていて、“自分買ってくる”にも同じ意味が含まれていて、“作る”体験を通じてその言葉の意味がすとんと胸に落ちました。

単に器を買うと思うと、高いと感じることもあるかも知れません。でも、器を買うとは、自分の人生のひと区切りを買ってくるということ。例えば、今回みたいに自分で作った思い入れのある茶碗があるとしましょう。早めに仕事を終えた週末に、気の置けない友人とお酒を酌み交わし、22時頃に帰宅。漬物を添えながらそのお茶碗でお茶漬けを食べる瞬間というのは、何事にも代えがたい幸せな時間です。

土曜の朝に、日を浴びながら飲むコーヒー。アニメを観ながら、パートナーと一緒に食べるスイーツ。こうした他に代わりのない、何気ない日常の幸せは大切にしたいもの。こうした瞬間に使いたいアイテムを私目線でピックアップしてみました。

コーヒーのほか、ココアやカフェオレも好きな私。「もう少し飲みたかったな」と物足りなさを感じぬように、たっぷり注ぎたいので充分な容量は欠かせません。などカラバリも豊富な「フェスティビティ FESTIVITY」シリーズは、電子レンジ、食洗機にも対応!デイリーユースにも、プレゼントにも大活躍の人気シリーズです。

スイーツプレートとして大活躍!コンビニスイーツをはじめ、何を添えても可愛くて、目の前に置くだけで少し胸が高鳴ります。もはやこのプレートを見る私は、パブロフの犬状態。パートナーとコミュニケーションを図る時間の中心にあるマイフェイバリットプレートです。

ときに少し背伸びをしてでも、自分が何に満足するのかを探していく。そうして、じっくりと自分を見つめていけば、違和感なく素直に生きていけるような、そんな気がしています。

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ABOUTこの記事をかいた人

「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。