色でみる国々

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のバイヤー竹本が、歴史・重陽にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

開催中は私も連日テレビ観戦していました。開会式や、競技中の選手を見て、アメリカの選手は、なぜ一目でアメリカ代表だと分かるのだろう?とふと思い、それはユニフォームの紺、赤、白、そしてどこかに必ず星(☆)のモチーフがあるアメリカのイメージカラーが自分の頭の中に刷り込まれていると気づいたのです。

先月末に北京オリンピックが終わり、明日にはパラリンピックも閉会式を迎えます。

各国にイメージカラーと呼べる色があるようですが、それには理由があるに違いないと思いいくつか調べてみました。

<中国>言わずと知れた赤で、幸福、富貴、お祝いを表す色だそうです。結婚式、出産、誕生日には赤が欠かせないので、カード売り場は赤一色。逆に葬式に赤はタブーなので「お前の葬式には赤を着て行ってやる!」という悪口があるそうです。

<アメリカ>星条旗の赤、青、白です。赤は勇気、白は真実、青は正義を表すそうです。星の数は州の数で、新しい州が出来る度に増えて現在は50個あります。横じまの赤と白も州の数にあわせて増えていたのですが、増えすぎてピンク色にしか見えなくなってしまい、元に戻されたそうです。ピンクはアメリカのイメージではなかったようですね。

<イギリス>こちらも色は赤、白、青で、国旗の色と同じです。ところでイギリスという国は存在しません。正式には「グレート・ブリテンおよび北部アイルランド連合王国」というおそらく世界で一番長い国名です。連合国なので、国旗も各地域の旗が合わさった形をしています。色はそれぞれの地域、イングランド、スコットランド、アイルランドなどの守護聖人の色だそうです。中世の騎士道物語の世界を感じさせます。

<ドイツ>黒、赤、金(黄色ではないそう)の3色でこちらも国旗の色。黒は力、勤勉、赤は熱血、金は栄誉を表します。19世紀初めのナポレオン戦争時の義勇軍の軍服の色が由来という説もあるそう。勤勉、栄誉というのが何ともドイツらしい気がします。

<イタリア>サッカーワールドカップでも有名な「アッズーロ」。普通の青よりは群青色のような青だそうで、地中海をイメージしているそう。サッカーのナショナルチームの代名詞のように思いますが、オリンピックや、国際競技大会などのどんな種目でも、「アッズーリ(複数)が勝っているよ!」と使えるそうです。

<フランス>赤、白、青のトリコロールカラーです。フランス革命で始めて使われたのですが、意味は当初、青と赤はパリ市の色、白はブルボン王朝の色を表していたそう。トリコロールというのは3色旗のことで、3色旗を持つ国は多いのですが、フランスが最初だと言われています。現在では、青は自由、白は平等、赤は博愛の意味で有名です。

<インド>私たち日本人は、カレーの香辛料ターメリックの黄色を思い浮かべますが、やはり現地の人が好む色も黄色だそうです。国旗にももちろん入っていますが、こちらは少しオレンジがかった色で、ヒンズー教の色だそう。サフラン色ともいうようで、こちらも料理に使うものですから、暑いところで食欲が増す色なのかもしれません。

・・と、まだまだオリンピック参加国数には足りませんが、調べてみるとアジアの国々では、イスラム教の緑、トルコ民族の青など、宗教、民族に根付いた色が国のイメージになっているのに対し、ヨーロッパの国では、愛、勇気、情熱など精神的イメージを色で表していることが多いようです。

ル・ノーブルで扱う商品もアジア、ヨーロッパなど世界中から輸入していますが、同じヨーロッパの商品でも、北の方の落ち着いた青、白、グレーの色使い、原色をふんだんに使う南の国の色使いと地域によって全く異なります。

作られた国の気候風土や、歴史、人々の気質が商品の色に関係していると思うと、作り手の顔が見えるような気がしてきて、商品の選び方も違った楽しみ方が出来そうです。

是非世界中から集めた商品の中から、ご自身に合うお好きな一品を選んでみて下さい。

※ ご覧の時期によって価格等ご案内の情報が異なる場合がございます。最新の情報は各店舗にてご確認ください。

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「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。