この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のバイヤー・竹田が、ホワイトデー・ギフト・ひな祭りにまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。
昨日3月14日はホワイトデーでした。多くの女性たちは1ヶ月前に送ったチョコやプレゼントに夢を託しつつ、当日がやってくるのを心待ちにされていたことでしょう。
東南アジアの国 タイではホワイトデー(イブ)の3月13日は、”象の日”だそうです。この日を日本の女性に負けないくらい心待ちにしている象がいます。
今日のコラムはその象の日についてお話したいと思います。
象の日は、象の重要性と存在を認識する日として1998年にタイ政府によって制定されました。当日はバンコクから北に約700kmはなれたチェンマイのメーサー象キャンプ場で約70頭のタイ象が無料ビュッフェに招待されます。象の大好物のサトウキビ、バナナの木、フルーツなどが長~いテーブルに何トンも用意され、招待された象たちは行儀よくテーブルに着きフルコースの贈り物を堪能します。
象は日本でもポピュラーな動物ですが、タイでは古来、平穏な時も戦いの折でもひとつの移動手段として使われるなど、人々の生活と密接な結び付きを持ってきました。
観光地で有名なバンコクの三大寺院の1つ、ワット・ポーでは、礼拝堂(涅槃仏がおさめられている堂)の仏教の教えをといた大壁画中に古の人々と象の密接な生活の様子を伺い知ることができます。
また、象は神聖な動物としても崇拝されていて、タイでは国の象徴動物に指定されています。タイの国旗も1916年に現在の赤、青、白の3色旗になるまでは赤字に白象のデザインが起用されていました。白い象は神様の使いとして珍重されています。
タイには「象法」というめずらしい法律があり、この法律によって白象と認められた象は国王に献上することになっているそうです。
国王に白象を献上した飼い主は、国王と面会することが許される上に、多額の報償と名誉が与えられます。現国王のプミポン国王は7頭~11頭の白象を所有されていることで知られています。三大寺院二つ目のワット・プラケオ(エメラルド寺院)では歴代の国王が所有していた白象のミニチュア像を見学することができます。
ところでに象は英語でエレファントですが、このエレファントという単語はもともと、バラモン教の神様(インドラ神)が乗っている3つの頭を持つ白象「エラワン」が語源とのこと。
この単語がフランスを経てイギリスへ伝わり現在のエレファントになったといわれています。3つの頭をもつ象“エラワン”は三大寺院三つ目ワット・アルン(暁の寺)の仏塔の一つでもお目にかかることができます。
タイの国民にとって大変親しみがあり、また深く愛されている動物の象ですが、最近では森林伐採などの環境破壊や輸送の近代化などにより、野生のタイ象は生活の場を奪われ、絶滅の危機に瀕しています。政府はゾウ救済の対策として観光地に象を送り込み、観光客相手にパフォーマンスをさせるなどして人と象との共存をはかってきましたが棲息数の減少をくいとめる為の対策としては不十分なものでした。そんな中、象を愛するタイの人々によって、象を絶滅の危機から救うために、各地で救済センターが設立されたり、また象の糞から肥料や、紙をつくったりして象の自立を支援する団体が次々と結成されるようになりました。とくに象の糞から作られた紙は製造に化学物質を使わない環境への優しさ、そして何より100%リサイクル商品であることから現在大変注目を集めています。
日本では、大人になってしまうとほとんど接点のない動物ですが、子供の頃を思い出すと、歌や絵本、動物園などを通じて接した機会が他の動物に比べてたくさんあったような気がします。同じアジアで象をこよなく愛する国からの影響かもしれないですね。この大きくて、強く、優しい動物がいつか架空の動物になってしまわないように、一頭でも多くの象が絶滅の危機から救われ、人と象が再び平和に共存できる日をタイに向かって心から祈りたいと思います。
※ ご覧の時期によって価格等ご案内の情報が異なる場合がございます。最新の情報は各店舗にてご確認ください。







