この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のバイヤー・竹本が、ヘレンド・端午の節句にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。
2016年4月21日にイギリスのエリザベス女王は、90歳になられました。もちろんイギリス史上最高齢、最長在位の君主でもあります。まだまだ精力的に年間数百の公務をこなしておられ、エリザベス女王の母であったエリザベス王太后も101歳で亡くなられたそうなので、イギリス王室の女性は本当にたくましい方達ばかりです。
2番目にイギリス史上最高齢、最長在位の君主は、ヴィクトリア女王です。ヴィクトリア女王と言えば、夫のアルバート公とともに、洋食器好きにとっては、欠かせない人物です。洋食器ブランドのロイヤル・アルバートが、彼の名にちなんで付けられたことや、ヘレンドのヴィクトリア・ブーケは女王が万国博覧会で、注文したことによりその名前がついたなど、洋食器ファンにとっては、有名なエピソードがたくさんあります。
イギリスは、女王の治世には文化、政治ともに隆盛を極めるとありますが、ヴィクトリア女王の「黄金時代」の幕を開いたのは、ヘレンドも出展した「万国博覧会」でした。1851年、世界で最初の「万国博覧会」がロンドンで開かれ、当時ヘレンドは全くの無名であり、まさしく女王に見初められたことにより有名になりました。「万国博覧会」は、正式には「あらゆる国の産業製品の博覧会」と言い、この第1回の万国博覧会では、ヨーロッパ各国、アメリカ、インド、中国からも出品があったものの、何といっても見に来た人たちに強い印象を与えたのは、開催国であるイギリスの産業製品における圧倒的な技術でした。
開催まえ、このような博覧会を開催することについて、人々から強い懸念の声がありました。その心配は現代とも同じようなもので、素性も知れない人々が大量に押し寄せることで、暴動や革命が計画されるに違いないやら、外国のスパイが紛れ込んで、せっかくのイギリスの先進的な科学技術が盗まれるのではないかと、心配されていました。
そのような不安や批判の声を根気よく説得して、博覧会の開催にこぎつけたのは、ヴィクトリア女王と、夫のアルバート公の尽力によるものでした。この博覧会は1851年の5月1日から10月11日まで開催されましたが、心配していたようなことは何もおこらず、実に600万人もの観客を集めて、大成功のうちに終わりました。のちに世界最大の旅行会社を作るトマス・クックなどが手配した団体客が押し寄せたことも与って、実に20万ポンドもの純益を生みました。
この博覧会の純益金を使って、さまざまな教育的施設を作ろうとしたのもアルバート公でした。ヴィクトリア・アルバート博物館や、ロイヤル・アルバート・ホールもその時に作られた施設のうちの一つでした。
当時発表されたガラス・クリスタル製品や、陶磁器で、いまだ製造され、販売されているものも、数多くあります。イギリス王室のバックアップで始まった「万国博覧会」。工業製品の発展のみならず、経済や貿易に対する貢献度も計り知れないものであったに違いありません。
開窯190周年。世界の王侯貴族に愛されてきた名窯。ヴィクトリア女王が第一回万国博覧会で一目ぼれした中国風絵柄の「ヴィクトリア・ブーケ」は、現皇太子夫妻の第一王女「シャーロット王女」誕生記念にも使われています。
ロイヤル・アルバートの前身であるアルバート・ワークスは、ヴィクトリア女王の配偶者であるアルバート公にちなんで名づけられました。1897年にヴィクトリア女王の在位60周年記念の記念品を依頼され、1904年には、「ロイヤル」を名乗ることを許されます。デザインには英国の代表的な花々が取り入れられ、最も英国的なテーブルウェアと呼ばれています。
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