「京都をゆっくり散策できる最後のチャンスかも」

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のクリエイティブ担当松田が、プレート・和・ハロウィンにまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

新型コロナウイルス感染症の影響で、一気に海外からの客足が遠のいてしまった京都。ビフォーコロナまでは、川のように流れる人だかりに飲まれていましたが、先月行ったときは思うがままに散策を楽しめました。インバウンド需要が少しずつ回復しつつある今こそ、京都を思うがままに堪能する最後のチャンスかもしれません。

「京都をゆっくり散策できる最後のチャンスかも」。

“そうだ、京都へ行こう”と言わんばかりに、ふらっと京都へ立ち寄ったのは、どうやら新しい京都グルメが続々と誕生していると耳にしたから。和食のイメージが強い京都ですが、実はパンやナポリタンなどの洋食も愛されており、街の居酒屋では創作スイーツを置いている店も珍しくありません。

そんな食通が多い京都で、罪悪感の少ない「京風ファストフード」や「京風中華」が流行っている模様。例えば、「九条ネギ」を使ったマルゲリータ、「豆腐の白和えと柴漬け」をトッピングしたハンバーガー、ニラ・ニンニク不使用で具材のまろやかな甘味を楽しむ「揚げ春巻き」など。

京野菜を中心に旬の食材を用いたファストフードや後味さっぱりの中華料理は、文字通り京都でしか体験できない至高のグルメ…。前代未聞のコラボで、インバウンド全盛期とは異なる食文化を生み出す京料理に注目が集まっています。

そもそも京料理とは、大饗料理・精進料理・本膳料理・懐石料理・有職料理という日本料理の五体系の総称のこと。食材には「京野菜」を、調理では「ダシ」を使用することが一般的です。さらに、美しい器への盛り付けや配膳などおもてなしの心を添えるところまでが京料理の真髄でしょう。その心配りは、料理の風情を五感で感じられるお店全体のしつらえにも現れています。

そして、日本ならではの四季のエッセンスを、料理に取り入れるのも特徴のひとつ。旬の食材は、味わいはもちろん、彩りも見事。料理を通じて、春夏秋冬を感じられるのも京料理ならでは。京都のご家庭で受け継がれてきた日常的なおかず「おばんざい」は、その最たる例です。

国境を超え、和洋折衷を融合させて、新たなグルメを生み出す京グルメ。日本食のど真ん中にある京料理に、欧米発祥のファストフードや中華料理を合わせようなんて、そのセンスには脱帽せざるを得ません。ただ、この感性、テーブルウェアにも当てはまるのでは?

和食は和食器に、洋食は洋食器に、と勝手な先入観でテーブルコーディネートの幅を狭めていた今まで。ふと思い出したのは、昔にに読んだ雑誌『croissant (クロワッサン)』のひとつの記事。

「赤い有田にクレープの黄色をのせたらどうですか? きれいでしょう?」と、個人で洋食器を取り扱う女性店主が語っていた言葉が印象的でした。まるで、日本の食器は日本料理、外国のものは西洋料理なんてきまりはないでしょ、と語りかけてくれた感覚です。そうなると、和食器と洋食器を組み合わせてみるのも楽しそう。

日本と同じ森林大国であり、シンプルなデザインが象徴的な北欧食器なんて、和食器と相性が良さそうじゃないですか? そこで今回は、「和食や和食器と相性の良い洋食器」をピックアップしてみました。

植物のしっとりとした上品な美しさを表現し、どこか大人びた印象を与えてくれる図柄は、陰影のタッチまで細かくまるで絵画のように表現されています。モノトーンで統一しながら、和テイストの食器と合わせれば、不思議としっくりくるのです。

私たちに馴染みの深い「藍色」のプレート。和洋折衷問わず、何でも合わせられる万能アイテムだから、毎日使うヘビーユーザーさんもいるのでは? 映画『かもめ食堂』でおむすびを載せて出てきた瞬間は、記憶に残る名シーン。おにぎりと、おばんざいも少しずつ盛り付けて、ワンプレートご飯に仕立てるのも素敵ですよ。

マットな質感が特徴の陶器の横に、ツヤがありクリアなガラスの洋食器を組み合わせるのも面白そう。透明な器は、メインディッシュを引き立てながら、食卓をスッキリ洗練したイメージに仕上げてくれます。小鉢を2つ並べるなら、片方はカステルヘルみで代用してみてはいかがでしょう。

※ ご覧の時期によって価格等ご案内の情報が異なる場合がございます。最新の情報は各店舗にてご確認ください。

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「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。