長寿を祝う縁起物

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のクリエイティブ担当村田が、ギフト・歴史・重陽にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

9月15日は、敬老の日です。皆さんは長寿の祝いや感謝の気持ちにどんなプレゼントを贈りますか?私は祖母へのプレゼントには縁起のいいものを贈りたいなぁと思っているところです。

ところで、長寿を祝う縁起物と言えば「鶴は千年、亀は万年」と言われているように、長寿を象徴する吉祥の動物として昔から尊ばれてきた鶴と亀が代表的です。そのうちの鶴は長寿の他にも、オスとメスが一生涯寄り添って暮らすことから、夫婦鶴として仲の良いことの象徴とも知られ、さらに、鳴き声が共鳴して遠方まで届くことから天に届く=天上界に通ずる鳥と言われており、民衆の間に「めでたい鳥」として伝えられています。

一年を通して青々と繁っている様子から、永遠の生命「不老長寿」を表しています。

中国では仙人に例えて名づけられ、その生命力の強さから「長寿」を意味しています。

形が8の字で末広がり。昔の薬入れから、六つのひょうたんで「無病息災」などの験を担いでいるようです。

古事記の時代から、魔除けの力を持つ植物とされた吉祥模様とされており、葉が厚く艶やかな様子から生命力の象徴に例えられ、長寿の縁起物とされています。

中国の不老長寿の郷「桃源郷」の入口に桃の木が植えられているとされ、まるまるとした水分を多量に含む桃は古代の中国より不老長寿の果物と伝えられています。

ひげが長く腰が曲がっている様子が老人を連想させる事から長寿を祈願する縁起物として伝えられています。

このように、調べてみると長生きに関わる縁起物が数多くあることがわかります。中でも、椿は花の散り方から武家社会では縁起の悪いものと言われていましたが、元々は逆の解釈がされていたことに驚きました。現代のような発達した医療の技術がない時代、当時の人々は、自然やそこにいる生き物の生命力からインスピレーションを得て験を担いでいたのでしょう。そう思うと昔の人々の想像力の豊かさに感心してしまいます。

今年の敬老の日の贈り物は、そんな当時の人々の思いが込められた縁起物の品を贈って、「これからも長生きしてね。」のお祝いをしませんか?

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「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。