この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のバイヤー・竹田が、新春にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。
冬の味覚の牡蠣、海のミルクとも言われ、栄養豊富なことで知られていて冬になると特に多く出回ります。
英 語Oysterの語源は「骨 –> Oston」。牡蠣の殻が骨のように固いからそういわれるようになったとか。
牡蠣は古くからヨーロッパでも栄養価の高い、健康食品として愛されていて、ジュリアス・シーザーがイギリスに攻め入ったのも、ナポレオンが遠征をしたのも、「牡蠣の産地を我が物にしたかったからではないかと」いう説があるほどです。
牡蠣は紀元前1世紀にはすでにイタリアで養殖されていたという記録があり、また日本でも縄文時代や弥生時代の貝塚から牡蠣の殻が出土されていて、ハマグリに次いで多く食べられていたと考えられています。古くから人々は岩や石についている天然の牡蠣を自由にとって食べていましたが、室町時代の終わり頃からは広島で養殖が行われるようになります。
イギリスには「Rのつかない月に牡蠣を食べるな」ということわざがありますが、これは英語でRのつかない月である5月、6月、7月、8月の頃は、牡蠣の産卵期にあたり、味がおちること、食中毒をおこしやすいことから、このようなことわざが生まれました。日本でも牡蠣の旬は冬とされ一般に流通するのも冬場が中心です。
牡蠣に合うお酒と言えばキリリと冷えた爽やかな酸味あるフランスの白ワイン「シャブリ」。古くから多くの食通に愛される特別な組み合わせで、その相性については様々な説があります。
有名な説としては、シャブリを産み出すテロワール。シャブリを産出しているのはフランス・ブルゴーニュ地方のシャブリ地区。この地区のキンメリジャンと呼ばれる土壌からは大量の牡蠣の化石が見つかっていて、この地区が太古の時代、海底にあったことを教えてくれます。堆積した牡蠣殻が化石となり、風化し土壌に溶け出したミネラルが良質なシャブリの原料となるブドウを育んでいるのです。
ちなみにシャ ブリの畑で使われる葡萄の品種はただ一つ、ワインの葡萄種として世界的に有名なシャルドネです。ワインとして醸造された後も、シャブリが食品としての牡蠣と絶妙なハーモニーを奏でるのは、この地域ではるか昔に隆盛を誇っていた牡蠣の存在に秘密があるのですね。
また、酸味の強いシャブリには牡蠣の生臭さを消したり、殺菌効果があるため、冷蔵設備の不十分だった頃より、食べ合わせの良い相性とされていたようです。
論より証拠。今が旬の牡蠣とシャブリ。相性のほどは今晩の食卓にてみなさんの舌でお確かめください。
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