この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時の品質・配送管理・松宮が、重陽にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。
洋食器の大ファンの方も特にそうでもない方でも食器を手に取って眺めた時、これはなぜ?どうやってこんな作業が出来るのだろう?そう思われた事はございませんか?
今回はその中でもよく質問を受ける以下の事例について、「特徴」、「理由」、「メリット・デメリット」という観点から紹介してみます。
洋食器には非常に薄く作られるタイプがありますがどうやって作るのでしょう?
伏せ焼き
1.薄く、歪(ひずみ)が無く作れる。洋食器は気品と繊細さ、優雅さを求める意味で薄く、軽く作られる事が常ですが、同時に焼き物の宿命である歪を克服しなければなりません。
2.カップの口元に釉薬の施薬がされていない。口元を棚板に載せて焼く為、棚板の接地面には施薬出来ません。施薬されていない口元は素地が露出しているのですがこの部分はカップの重要ポイント。
各メーカーは工夫してまったく無施薬を感じさせないくらいきれいに作業されています。一見しても、説明されても分からないくらいです。きめ細かな磁土と高温でしっかり焼成されているからでしょう。むしろ無施薬を特徴のデザインにする商品があるくらいです。
お皿の繊細な模様はどの様に細工されているのでしょう?
陶磁器の鋳込みとは液状の磁土を石膏型に流し込む技法です。洋食器の成形は基本的に型を使って均一的に作る方法が採られます。石膏で凸凹の型を作り、そこに泥状の磁土を流し込んで成型するようです。同じ形、大きさ、模様の素地を均一的に作る事が出来のがメリットです。石膏型はパーツに分かれており、形や模様が複雑になるほどパーツの点数は増えます。
現代は鋳込み型に流し込む際、圧力をかけることで薄く、細部の模様にまでしっかり作る事が出来るようです。
特にイタリアでは古くからテラコッタや壁面の細工など建築に関わる技法が発達し、鋳込みもその一つ。故に現代では自動車のエンジンなど重要パーツの生産にも応用されています。あの高名なフェラーリなどのスーパーカーは得意分野とされ、世界的に有名ですね。
カップの取っ手はどの様に作成しているのでしょう?
磁土は乾燥しても水分で磁土同志をくっつける事が出来るというメリットがあります。この特徴を利用して繊細な細工の取っ手をカップにつける事が出来ます。取っ手はベースの石膏型があり、この型により作り置きしておく事ができるのです。洋食器の特徴でもあるデコレイティブな装飾にも向いていたといえるでしょう。
装飾されるパーツは同様に石膏型から作られます。ちなみに磁土に対して、陶土は乾燥するともうくっつける事は出来なくなります。よって乾燥前の微妙なタイミングに泥を使ってくっつけなければなりません。
最近はみなさん本当に色々な事をご存知で、私達も知識をフルに活用しないと対応できません。勉強すればするほど知らない事ばかりで興味は尽きません。陶器の世界は本当に奥深くまだまだ謎めいているのです。
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