この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のバックオフィス・楠橋が、晩秋にまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。
京都は観光の秋本番になりました。多くの人が、きもの姿で京の秋を満喫されているようです。昨年の11月に、市内の西陣織会館で綴(つづ)れ織りを体験したのを思い出します。完成したテーブルセンターは、今も会社のデスクの上に置いてあります。
私が体験したのは、ミニ手機(てばた)を使い初心者でも簡単に織れる綴れ織りで、縦糸は130本程の綿糸で、横糸は3本を1本に縒(よ)った絹糸でした。ピンと張った縦糸の隣りどうしを“綜絖(そうこう)”という装置で交互に上下させ、横糸を“ひ”という道具を使い通していき一枚の織物に仕上げるのです。その時感じたことは、体験用の少ない本数の縦糸・横糸を使っていても、横糸の引っ張り加減等で織物の表情が随分と異なってくるなということです。ましてや西陣織の縦糸は3000本から8000本が使われ、横糸は多いもので30色以上も使われるそうです。これだけ多くの糸を使うため、縦糸と横糸の組み合わせでさまざまな柄や配色が出来るのです。またその時、私が中学生の時に社会科の先生から聞いた話を思い出しました。
それは、人生は反物(たんもの)のようなものである、というお話です。先生はこう話されました。「皆さん一人ひとりの人生は反物に例えることができますよ。縦糸である自分と横糸である自分が出会った人々の協同作業で一枚の織物を作っていくようなものです。そして、自分がどんな人々に出会い、どんな影響を受けたかで人生という織物の模様が決まってきます。良い横糸に恵まれても縦糸がしっかりしていないと、良い織物はできません。まず縦糸である自分自身をしっかりと磨き、これから出会うさまざまな人々を一本一本の横糸にして、自分自身の人生を織り続けて下さい。」
さて、皆さんの人生はどんな模様の織物ができていますか。私の人生は、幸運にもすばらしい横糸が織り込まれており、同じ横糸の人でも、昨日の一本と今日の一本で異なる模様ができている場合もあります。私は、今まで出会った人々との交流を深めつつ継続し、今後出会う人々との交流を大切にして、さらに自己研鑚に励み、すばらしい横糸に負けないように輝く縦糸を張り、世界で一番の織物を綴っていきたいと思っています。
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