春野菜が苦いのは・・・

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のEC運営スタッフ長田が、ひな祭りにまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

日が長くなり、春を実感することも多くなりました。スーパーでは色とりどりのみずみずしい春野菜が店頭を賑わしています。生命が生まれる春に旬を迎える野菜には、実はすごいパワーが秘められています。今日はそんな春野菜についてのお話です。

春の野菜、と聞いて何を思い浮かべますか?

菜の花、ふきのとう、たけのこ、セロリ、うど、ふき等々たくさんありますが、これらに共通しているのはにおいが強く、独特のにがみやえぐみがあることです。そのため「春の野菜は苦手」と思われる方も多いと思いますが、実はこのにがみは冬の間に体にたまった毒を排出するという大切な役割を果たしています。

カフェやレストランでも定番メニューとなりつつある、たんぽぽを使ったメニュー。たんぽぽも春の野菜のひとつです。特にヨーロッパではたんぽぽは春の野菜の代名詞。ドイツには「たんぽぽの日」もあり、この日にたんぽぽを食べて冬の間に体にたまった毒を排出します。

また、多くの春野菜はアルカリ性。アルカリ性の食物は、脂肪を溶かしビタミンを補給する働きを活発にしてくれます。

そして何よりも春の野菜はエネルギーにあふれています。地面を割って一気に伸びるふきのとう。たけのこやたんぽぽに至ってはコンクリートもかないません。縦横無尽に成長する様子は、まさにエネルギーのかたまりです。このエネルギーをおすそ分けしてもらいましょう。

東洋医学の観点では、春はいろいろな生物が成長する季節ですが、病原菌、ウイルスなどの微生物にも感染しやすく、病気になりやすい季節でもあります。

そんな季節ににがみのある野菜を食べるのはやはり先人の知恵なのでしょうね。

◆たんぽぽ茶春に毎日タンポポ茶を飲み、体を解毒し、病気を予防しましょう。

作り方:花が咲くと苦くなりますので開花前の全草を掘り取り、よく水洗いしてください。根と地上部をハサミで切り、別々に天日で干します。

フライパンなどで少し焦げ目がつく程度に炒って、土瓶や急須にひとつまみ入れます。熱湯を注ぎ、2~3分おいて出来上がり!食欲不振や胃の調子の悪い人にお勧めです。

『春キャベツ』キャベツは一年中おなじみの野菜ですが、季節によって品種が違うのをご存知ですか?

中でも春に収穫され「春キャベツ」「新キャベツ」と呼ばれる「春玉」は、葉がやわらかくてキャベツ特有の巻きもゆるやか。みずみずしくて甘みもあるという、実に春らしい美味しさです。

他の季節のキャベツと比べて、胃腸にやさしいビタミンUが多く含まれていることも特徴の一つです。

『菜の花』野菜として食べるようになったのは明治時代以後です。旬は1月~4月。菜の花がつぼみのうちに収穫します。栄養面では、カロチン、ビタミンB、C、カルシウム、鉄分などが豊富な緑黄色野菜です。ちなみにカルシウムがいっぱいの緑黄色野菜の1位は小松菜、次が菜の花です。

買うときは、茎の切り口がみずみずしく、緑の濃いものを選びましょう。

『たらの芽』ウコギ科の「たらの木」の芽です。たらの木はマッチの軸などに使われるやわらかい木で、 山野に自生し、4~5メートルの高さになります。

たらの芽は「山菜の王者」とも「天ぷらの王様」とも言われています。うどに似た香りとほのかな苦さが春の到来を告げます。

『新たまねぎ』たまねぎには、黄たまねぎ、赤たまねぎ、白たまねぎという種類があり、新たまねぎはこの中の「黄たまねぎ」にあたります。

たまねぎは、春にまいたものを秋に、秋にまいたものを初夏に収穫するのが一般的ですが、新たまねぎは秋にまいたものを春に早どりしたものです。辛みが少なく、たまねぎ独特の香りに加えて、みずみずしさも満点。とても甘いので、生食に最適です。

ふつうのたまねぎに比べて、風味が薄れやすく保存も利きません。出来るだけ早めに食べるようにしましょう。

◆最後にたけのこ、うど、ふき、菜の花、グリンピース、春キャベツ、新じゃが、かぶ、わけぎ…。滋味豊かな野菜たちが元気を与えてくれます。あえもの、サラダ、小さな煮ものや炒めもの、お椀やスープ…。みんな春野菜が主役です。毎日の食卓にこそ旬の素材をとり入れましょう。

春は気が上昇する季節。春の野菜を食べて冬にたまった毒を消し去り、きれいになったところにエネルギーをどんどん取り込めば、新年度のスタートダッシュはまちがいなしですね。

※ ご覧の時期によって価格等ご案内の情報が異なる場合がございます。最新の情報は各店舗にてご確認ください。

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「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。