焼 酎 の話

この記事はに配信されたメールマガジン「ティータイム通信」コラムの復刻版です。当時のEC運営スタッフ長田が、歴史・ハロウィンにまつわるエッセイを綴りました。
※役職は配信当時のもので、現在は変更または退職している場合があります。

●歴史初めて日本に焼酎が伝わったのは、1404年に朝鮮の太宗から対馬領主に贈られたものですが、焼酎作りの伝来については、以下の3つの経路が考えられているそうです。

1.琉球経路14世紀ごろから琉球(沖縄県)は、日本をはじめ明国(中国)朝鮮、南海諸島などとの海上貿易の拠点になっていて、このときタイから蒸留酒が沖縄を経て、奄美諸島、薩摩へ伝わったという話。

2.南海諸国経路14~15世紀ごろ、倭寇(わこう)と称する武装商船団(海賊)が朝鮮半島や中国大陸沿岸、南洋海上にいたる広範囲な海上に進出。海上取引品のひとつとして焼酎を含む外来酒が日本に伝わったという話。

3.朝鮮半島経路14世紀ごろ日本は琉球や南海諸国、朝鮮、西洋諸国などと活発に交易を行っていました。交易品の中には、朝鮮産の焼酎(高麗酒)も含まれており、壱岐、対馬を経て日本に入ってきたという話。

そして、日本の歴史に焼酎という文字が初めて登場するのは室町時代の1559年のこと。「神社の神主がケチで一度も焼酎を飲ませてくれなかった。作次郎・助太郎」と書かれた棟木札(むねきふだ)が発見されたことから、この時代に焼酎が人々の生活に定着していたと考えられます。但し、当時の焼酎は米焼酎が主流で様々な原料の焼酎が造られるようになったのは江戸時代からとか。

江戸時代には、米が年貢の対象として大変貴重なもので焼酎造りに利用することが難しかった為に芋や麦など様々な原料を用いた焼酎を造ることになったようです。これが現在の焼酎の基盤になっていきます。その後、明治時代に技術は目覚しく進歩を遂げ、焼酎は乙類・甲類に分類されるようになりました。

甲類は、連続式蒸留機で蒸留したアルコール度数が36度未満のもの。もろみを数本の蒸留塔に連続的に供給し蒸発、分縮環流という複数の作用と数度の蒸留を経て高純度のアルコールが取り出されるため、無色透明で不純物が少なく、クセのない焼酎が摘出される。

乙類は、単式蒸留機で蒸留したアルコール度数が45度以下のものを言います。蒸留機の仕組みが非常にシンプルで一度しか蒸留しないため、原料の香味成分が溶け込みやすく特有の芳香と風味がかもし出されます。

●こだわりの原材料本格焼酎を飲む際にこだわりたいのが原材料。主に、サツマイモ、米、麦、蕎麦などがありますが、今のところ麦が全体の54%と約半分を占めているそうです。【サツマイモ】主な生産地は、鹿児島県・宮崎県南部17世紀中期以降に芋焼酎が造られたのがはじめ。

【米】主な生産地は、熊本県16世紀後半に米を原料とする焼酎が伝播。米が全国各地で作られているのと同様に米焼酎造りも今では全国的に。

【麦】主な生産地は、長崎県壱岐島・大分県他米の課税が厳しく、主食用の麦を利用して焼酎を造ったのが始まり。麦特有の香りがあり、まろやかで甘みがあるのが特徴で、飲み方の幅が広い。

【蕎麦】主な生産地は、宮崎県奈良時代以前から食用として栽培されてきた蕎麦が、73年ごろ宮崎県の酒造所が蕎麦焼酎を開発し焼酎の多様化のきっかけとなったとか。

【泡盛】主な生産地は、沖縄県日本最古の蒸留酒である泡盛は、インディカ種と呼ばれる硬質のタイ米と沖縄原産の黒麹菌を使用して発酵させたもろみをそのまま蒸留した、いわゆる全麹仕込みの蒸留酒。泡盛特有の風味とキレのよい旨みをもっています。

【その他】財務大臣によって定められている原材料には以下のようなものがあります。あずき、アロエ、かぼちゃ、ぎんなん、くり、ごま、こんぶ大根、しいたけ、トマト、にんじん、ねぎ、ピーマン、抹茶ゆりね、よもぎ など、想像もつかない原材料が出てきてビックリです。今後、このような焼酎が生まれるかもしれませんね。

●焼酎の効果二日酔いしにくい!?焼酎は、日本酒やワインなどに比べて二日酔いしにくく、酔い覚めがよい。なぜ?二日酔いの原因の血中に残るアセトアルデヒドという物質が日本酒と比べると少ないからだそうです。

血栓予防効果がある!?血栓症は心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などを引き起こす非常に怖い病気で、血管の中の血塊が原因になっています。いろいろな種類のお酒を飲み一時間後に血液中の血栓溶解酵素の濃度を調べたところ、本格焼酎を飲んだ人は、ワインに比べても約1.5倍になっていて、本格焼酎の効果が飛び抜けて高いことが判りました。本格焼酎の中でも、芋焼酎や麦焼酎が特に効果的で、甲類焼酎などは、ほとんど効果が見られないそうです。だからといって、飲みすぎは元も子もありません。一日の適量は、純粋アルコール量で30ml程度。60mlを超えるとその効果は無くなり、肝臓に負担をかけるなど悪い面が出てくるので注意しましょう。

※ ご覧の時期によって価格等ご案内の情報が異なる場合がございます。最新の情報は各店舗にてご確認ください。

ABOUTこの記事をかいた人

「器の愉しさを、もっと身近に」という想いを胸に、代々のスタッフがバトンを繋いできた食卓のエッセイ集です。ある時は 古典文学に想いを馳せ、ある時はイースターの食卓を飾り付ける。京都発、器が大好きな私たちの、ちょっとマニアックで愛おしい「器と文化愛」が詰まったコラムたち。数十年にわたり、メールマガジンを通じて数万人の器ファンに届けられたコラムを復刻しています。