「モスリングラス」とは、美しく織られたフランスのファブリック「モスリン」の名を冠した、わずか0.7〜1.1mmの厚みに吹かれたロブマイヤー社のクリスタルガラスの名称です。非常に上品な縁を持ち、口をつけるとガラスと飲物との優雅なコンタクトが忘れがたいグラスになります。
優れたガラス吹き職人でさえ、モスリン・ガラスをつくるためには長年の経験を必要とします。
薄いガラスの溶融は瞬時に固くなるため素早く作業せねばならず、職人の作業を見ている人々は、彼らの働くスピードと妙技に驚きます。また、同じシリーズがハンドメイドで正確に形づくられる様子は衝撃的ですが、むしろ手吹きのガラスの魅力は微妙な不規則性にこそ存在します。
モスリン・ガラスは繊細に見えますが、その内部の弾力性と正確な成型のおかげでとても強度があります。成型において、ガラスは最初湿った木の型に吹きつけられますが、木の型とガラスの間で生じる蒸気が「クッション」となり、ガラス表面の完璧な輝きを作り出します。その後、グラスのステムと脚は職人により手作業で接着され、慎重に冷却された後、縁をなめらかに磨き、艶を出します。
ロブマイヤーグラスは少なくとも24人にも及ぶ職人の手と、4回のクオリティーコントロールを経て店舗に出荷されますが、最後のクオリティーコントロールは創業から190年以上が経過した現代においてもなお、必ずロブマイヤー・ファミリーの一員が担っています。
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