HOME Luxury Selection vol.63 ハプスブルク家の食卓 ≪ 絞り込み指定中 ≫ ピックアップアイテム 皿・プレート マグカップ カップ&ソーサー グラス・タンブラー 鉢・ボウル カトラリー・箸 ティー・コーヒー用品 ワイン用品・バー用品 鍋・フライパン 調理器具 キッチン雑貨・エプロン 花瓶・ベース アクセサリー インテリア・置物・照明 文具・ステーショナリー 日用品(ハンカチ・タオル) ベビー・子供用品 限定品 半端品(カップのみ・ソーサーのみ等) 全てのアイテムを見る Luxury Selection vol.63 ハプスブルク家の食卓 オーストリア・ハプスブルク皇室では、ローズをモチーフにしたディナーセットを代々使用しており、この絵柄は1744年アウガルテンがハプスブルク王室直属の窯元となった頃から伝わるものです。 磁器が初めてヨーロッパにもたらされたのは13世紀末のことで、イタリアの商人“マルコ・ポーロ”が中国より持ち帰ったとされています。また良質のカオリンを産する中国の景徳鎮で作られる高級磁器の存在は、すでに14世紀のヨーロッパでも良く知られていました。 17世紀になると、王侯貴族の磁器に対する関心はますます強くなり、海洋国イギリスが真っ先に「東インド会社」を設立すると、オランダ、フランス、オーストリアも続いてアジアとの交易に乗り出し、競って磁器を本国へと運びこみました。 東洋磁器への強い憧れをもっていた有名な王侯貴族がザクセン選帝侯“アウグスト2世”でした。彼は宮廷専属の錬金術師ベドガーに白磁の研究を命じ、遂に1708年ドイツのマイセンにおいて、ヨーロッパ初の白磁が誕生しました。アウグスト2世は、この技術が他国に持ち出されることを危惧し、ベドガーを幽閉しますが、自由を奪われた彼は酒におぼれ、精神に異常をきたし37歳にして生涯を閉じます。しかし、彼と絵付け師ヘロルト、成型師ケンドラーなどによりマイセンはヨーロッパ有数の名窯として発展をとげたのでした。 同時期、ウィーンからザクセン公国に派遣された一人の宮廷武官がいました。名は“クラウディウス・イノセンティウス・デュ・パキエー”。彼はオーストリアにもマイセンのような磁器工房を作りたいと考えます。そこで、マイセン工房の主任と絵付け師ヘロルトをウィーンへと連れ出し、1718年、ヨーロッパで2番目に古いウィーン磁器工房、現在のアウガルテン窯を創設しました。デュ・パキエーは、マリア・テレジアの父カール6世から25年間にわたる磁器製造の許可を取り付け、食器だけでなく、燭台や、花瓶、時計などの装飾品、日本の柿右衛門を模した作品など高度な磁器を創り続けました。 18世紀初めにウィーン磁器工房の熱心な支援者の一人が、対トルコ戦で活躍し、ハンガリーからトルコを完全に駆逐した“オイゲン公”でした。彼を記念して造られたシリーズ「プリンス・オイゲン」は現在でもアウガルテンの代表作となっています。 ところがその後、ウィーン磁器工房は経営困難に追い込まれます。1744年女帝マリア・テレジアによって工房は買い上げられ、国営化されますが、この時よりハプスブルク家の紋章をウィーン磁器工房の商標として使うことが許可され、数々の変遷を重ねながら現在でも使われています。また今日アウガルテンを代表する図柄の一つ「マリア・テレジア」も女帝マリア・テレジアに感謝の意を表すために謹呈されました。 オイゲン公はオスマントルコとの戦いでウィーンを救った将軍であるとともに、芸術的感性の優れた人物でもありました。「プリンス・オイゲン」はハプスブルク家の繁栄に多方面から貢献した彼へ献納された作品です。 他に類を見ない深く落ち着いた色合いのマリアテレジアは、エレガントな花柄を18世紀に流行したハンティングのシンボルであったモミの木の色だけで彩色されたシンプル且つ重厚な作品です。 女帝は他のヨーロッパ王侯貴族と同様に東洋磁器への強い関心を持ち、特に日本の「伊万里」の愛好家でもありました。ハプスブルク家には、17〜18世紀の「古伊万里」が多くみられますが、これはスペイン・ハプスブルク家を通じて、オーストリア・ハプスブルク家にもたらされた物でした。九州のキリシタン大名は、スペインに少年使節団(天正遺欧使節団)を派遣するなど、日本とスペイン・ハプスブルク家の交流は鎖国まで続きましたが、この頃から既にスペインの没落は始まり、無敵を誇った艦隊もイギリス軍に大敗しスペイン王家は断絶してしまいました。 その後、スペインはフランスのブルボン家が治める事となりましたが、ハプスブルク家はこれまでのスペイン領ネーデルラントの南部(ベルギー)をオーストリア領として獲得しましたが、この事がハプスブルク家が直接アジア貿易に乗り出すきっかけとなりました。こうして東インドだけでなく、中国にも向かった貿易船は次々と絹、茶、磁器などを本国へ持ち帰り「オーストリア・東インド会社」はハプスブルク家に多大な利益をもたらしました。 女帝の死後、ウィーン磁器工房は1784年に、その経営がゾルゲンタール男爵の手にゆだねられました。この磁器有名な「コバルト・ブルー」が発見されたり、金彩の高度な技術が完成されるなど、ウィーン磁器工房の成長はめざましく製品の種類もかなり多くなりました。しかしこのころのウィーン宮廷は、厳しい政情にあり、晩さん会用の食器もウィーン磁器工房に借用するありさまでした。ウィーン磁器工房の経営は、その後ニーダーマイヤー家に移りますが皇帝ナポレオンが婚姻用として大量注文するなど、工房だけはこれまでにない繁栄で賑わっていました。フランス革命と、ナポレオン戦勝終結後の1814年「ウィーン会議」の宴席でもウィーン磁器工房の食器が使われ、出席のために訪れた欧州各国の代表団は競って磁器を買い求めました。 「ウィーン会議」が終了すると機能性を最優先した「ビーダーマイアー様式」と呼ばれる新たな芸術様式が流行しました。簡素で実用的な絵柄の作品が人気となり、貴族と庶民の間に起きたブルジョワ市民階級までもが宮廷生活にあこがれ磁器を買うようになりました。 しかしフランツ・ヨーゼフが即位したころには、順調な繁栄を続けてきたウィーン磁器工房にも陰りが見え始めます。ボヘミアの磁器産業やハンガリーのヘレンドが頭角を現し、皇帝が宮廷で使う食器もウィーン磁器工房にとってかわるようになっていったのです。ウィーン磁器工房は外国の磁器産業に押され気味になり、1862年のロンドンの万国博覧会以来、注文はばったりと途絶え、1864年閉鎖へと追い込まれます。そしてついに工房とともに繁栄したオーストリア帝国も滅亡し、ウィーン磁器工房も帝国の浮沈の歴史とともに消えていきました。 斬新でユニークなデザインは、メロンを連想させる形とデザインからその名が付けられたホフマンの代表作です。 しかし1923年マリア・テレジアの狩猟館「アウガルテン宮殿」を改造してウィーン磁器工房はアウガルテンとして復活します。この「アウガルテン宮殿」はハプスブルク家が華やかなりしころ、モーツァルト、ベートーベン、ヨハン・シュトラウスなどの音楽家たちを招いて一族のためにコンサートを開いた場所でもあり、現在では500年以上の長い歴史を持つ「ウィーン少年合唱団」の宿舎ともなっています。女帝マリア・テレジアが作らせた卓上芸術とでもいうべきアウガルテンは、洗練された高度な技術を持ち、ハプスブルク家が愛用していた食器として世界中の愛好家から今なお高い支持を受けています。 ※人気が集中した場合、ご注文順となりますので後ほど確認のメールをお入れします。 ※当ページの商品は実店舗とは価格が異なる場合がございます。予めご了承くださいませ。 Monthly Topic: Luxury Selection BACK NUMBER vol.131 マイセンと暮らす vol.130 バレエコレクション vol.129 ラグジュアリーセレクション vol.128 ラグジュアリーセレクション vol.127 癒しの音楽「オルゴール」 vol.126 時代を超えて愛されるものづくり vol.125 ウェッジウッドのアイデンティティ vol.124 イタリアの工芸品 vol.123 鋳物ホーロー鍋 vol.122 デザインされた実用品「マリメッコ(marimekko)」 vol.121 ポーリッシュポタリー vol.120 ようこそ、食卓のミュージアムへ vol.119 グスタフ・クリムト vol.118 インペリアル・ポーセリン vol.117 微笑みの国、タイの器「ベンジャロン焼き」 vol.116 Beauty Beyond Time - MEISSEN - vol.115 江戸切子 vol.114 テーブル上の名脇役 カトラリー vol.113 ロイヤル・コペンハーゲンと青花 〜Blue & White〜 vol.112 端午の節句と五月人形 vol.111 マイセンのベーシックフラワー vol.110 この上なき美術品 vol.109 大倉陶園 - Okura Art China - vol.108 現代的な古典 vol.107 enjoy COFFEE vol.106 プラウナ -HANKOOK CHINAWARE- vol.105 光の彫刻 ロブマイヤー vol.104 パリから届いた癒しの宝箱 vol.103 遊び心に溢れたティーポット vol.102 現代の京薩摩 vol.101 ヘレンドとシノワズリ vol.100 世界中の高品質な商品を皆さまのご家庭に vol.99 暮らしに根付くフィンランドデザイン vol.98 ジョージ ジェンセン vol.97 お祝いには腕時計を vol.96 ミニチュア食器の世界 vol.95 暮らしの中で輝くクリストフル vol.94 天才的な産業人 ジョサイア・ウェッジウッド vol.93 ヴェネチアンガラス vol.92 景徳鎮 vol.91 ヨーゼフホフマン vol.90 2つの称号を冠するブランド vol.89 ガラスのパレット vol.88 芸術、ファッション、そして美食の国イタリアから vol.87 ヘレンドは2016年で190周年 vol.86 竜 -The DRAGON- vol.85 導き出される輝き vol.84 マイセンの創世期と3人の天才 vol.83 ストークオントレント vol.82 ガラスに永遠の生命を吹き込む vol.81 ボヘミア・ヘリテージ vol.80 光の化身 vol.79 浮世絵ガラス vol.78 AUGARTEN TODAY vol.77 青への情熱 vol.76 最も英国的なティーウェア vol.75 春意万象 vol.74 マイセン コレクターズアイテム vol.73 模倣からの旅立ち Rothental Studio-Line vol.72 陶器の街リモージュ vol.71 世界に誇る和製テーブルウェア -Noritake- vol.70 ウェッジウッド&ベントレー vol.69 玩美 -I am Franz- vol.68 現代のマイセン vol.67 ブランドの中のブランド vol.66 オイヴァ・トイッカの想像力あふれるガラスの芸術 vol.65 バカラ創設250周年までの歩み vol.64 食卓の芸術 vol.63 ハプスブルク家の食卓 vol.62 LALIQUEのガラスへの愛 vol.61 ナソン・モレッティ vol.60 アラビア メモリーズ vol.59 マイセンから世界へ vol.58 ガラスの歴史を語り継ぐ vol.57 世界で最も豪華なディナーサービス vol.56 ロイヤルクラウンダービー vol.55 夢の境間 vol.54 マイセンクリスタル vol.53 歴代の英国王室女性に選ばれたボーンチャイナ vol.52 夢の続き -バラリン工房- vol.51 ロイヤル・コペンハーゲンの歴史 vol.50 吉祥(バカラ) vol.49 マイセン リミテッドエディション vol.48 気品高きポーセリンアート vol.47 リチャードジノリの温故知新 vol.46 涼をもたらすガラスアート vol.45 引き継がれるデザイン vol.44 アーノルド・クローとロイヤル・コペンハーゲン vol.43 革新を続けるウェッジウッドの伝統 vol.42 究極のレースカットデザイン vol.41 リチャードジノリとドッチア窯 vol.40 基本のテーブルマナー vol.39 ドラゴンと龍 vol.38 エミール・ガレとその謎 vol.37 表情を変える魅惑のガラス vol.36 ル・ノーブル美術館へようこそ vol.35 バカラをつくるデザイナー vol.34 星雨花宴 vol.33 東欧の真珠とクリスタルガラス vol.32 切子の未来への潮流を生み出す2 vol.31 切子の未来への潮流を生み出す1 vol.30 ロイヤル・ウェディング vol.29 Technique of GRAVURE vol.28 春を待ち侘びて -リヤドロで感じる春- vol.27 250周年記念コレクション Prestige vol.26 スワロフスキー vol.25 アイルランドのベリーク vol.24 リチャードジノリとカポディモンテ vol.23 有田焼〜東西文化の交流〜 vol.22 芸術(アート)の宝箱 GIGLIO vol.21 マイセン 千夜一夜物語 vol.20 無色透明なガラスを求めて vol.19 絢爛豪華な色彩磁器 景徳鎮-後篇- vol.18 彩色磁器へのあこがれ 景徳鎮-前編- vol.16 陶磁器の歴史は花とともに vol.15 優しさに満ち溢れる、リヤドロの世界 vol.14 世界中で愛されているイヤープレート vol.13 エミール・ガレとジャポニズム vol.12 お茶の歴史2 vol.11 お茶の歴史1 vol.10 切子の世界 vol.9 ルネ・ラリック生誕150周年 vol.8 ウェッジウッドの威信 vol.7 The King of Birds vol.6 愛情にあふれた子供の日常生活の瞬間を磁器に表したシリーズ vol.5 フンボルトとフンボルトパターン vol.4 デンマークの美しい大使 vol.3 野鳥と昆虫の絵柄の食器 vol.2 柿右衛門様式のマイセンの作品 vol.1 ラリックの想像世界 新着特集 リヤドロの兜や五月人形 コレクタブルなアイテム 春を祝う「イースターエッグ 2024」 ヘレンドの可憐なパセリ 優美なブーケが魅力的 おすすめの3点セット 西洋陶磁史研究家「加納 亜美子さん」セレクト! 生活を豊かに彩るブランド食器 シンプルで力強い美しさ 気分も春めく花柄食器 シンプルな白い食器 ザクセンガラス500年の歴史を誇る 絵柄ごとにピックアップ! いよいよ販売開始! 花びらが特徴のインテリア 上品な英国ブランド こなれ感あるテーブルコーデ カラフルなグラスが登場! ブランドが誇るバラのアイテム おすすめの大きいお皿 秋のスイーツにおすすめ! カラフルなグラスが加わりました 人気ブランドのティーカップ 人気のマグカップ 北欧デザインのグラス 東欧リトアニアから届きました。 現代のライフスタイルにおすすめ! 高品質なクリスタルブランド 上質なテーブルウェア「ジオ」 美しさを届けるブランド 美しいテーブルウェア オシャレなプレースマット スウェーデン王室御用達 シーラ・ブリッジス おすすめのロックグラス シリアルナンバー付きの世界限定品 ミレフィオーリの世界 世界のバリスタから定評のあるハリオのコーヒーアイテム 日本の食卓にもおすすめ! おすすめの「和食器」 かわいいフルーツ柄の食器 女性から大人気♪ アーティスティックなデザイン スウェーデン王室御用達 キッチンファブリック 心ときめくティーウェア 見た目にも可愛い食器 手作りによる表現力 フランスの魅力を発見! 芸術的なアイテム 心が弾むような可愛いヘレンド ワインの種類別に楽しむグラス かわいい花が描かれた食器 より美味しく、おしゃれに! シックでお洒落なシリーズ 美しい白磁の器 土鍋ご飯はいかがでしょうか 燕三条のカトラリー 人気のシリーズをピックアップ♪ 温かみのある器「バーレイ」 カジュアルな英国ブランド 華やかなグラスが登場! 【ル・ノーブル新入荷】ヴィスタアレグレ 全ての特集を見る 人気ブランド ARABIAアラビア iittalaイッタラ Imperial Porcelainインペリアル・ポーセリン WEDGWOODウェッジウッド HERMESエルメス Cutipolクチポール Christofleクリストフル STAUBストウブ Swarovskiスワロフスキー Noritakeノリタケ Baccaratバカラ Herendヘレンド MEISSENマイセン RIEDELリーデル GINORI 1735/Richard Ginoriジノリ1735/リチャード ジノリ LLADROリヤドロ ROYAL ALBERTロイヤル・アルバート Royal Copenhagenロイヤル・コペンハーゲン 全てのブランドを見る 売れ筋総合ランキング イッタラ(iittala) カステヘルミ ボウル 230ml クリア ペア ウェッジウッド(Wedgwood) フェスティビティ ティーカップ&ソーサー 160ml(ラズベリー) ペア 【ブランドボックス付】 松徳硝子 うすはり タンブラー(L)375ml ウェッジウッド(Wedgwood) フェスティビティ マグ 350ml(ピンク&ブルー) ペア 松徳硝子 うすはり タンブラー(LL)510ml 【木箱入】 2024-03-18 更新 すべてのランキングを見る この特集で紹介されている商品の売れ筋ランキング 更新