ルネサンス後期のアートシーンは遠近法が重視され、写実性を通じた客観性を追求する時代でもありました。しかし、印象派の台頭（のちにファビズム、キュビズム、モダニズム）とともにアートとしての定義に劇的な変化、多様化が起こりました。アーティストたちは主観性を追求し、万物を独自の観点から解釈し、各々の感性を独自の技法を用いて表現しました。これらに表されるアートの多様化は人々の視野を広げ、歴史的名作は今日も我々に人生の美しさと面白さを色と形を通して伝えています。

台湾の磁器ブランド、フランツコレクションはゴッホミュージアムとのコラボレーションシリーズを手掛けたのち、この「夢の境地・フィラデルフィアミュージアムコレクション」に取り掛かり、フランツ作品に代表される豊かな造形と色彩を用いてポール・ゴーギャン、アメデオ・モディリアーニ、ポール・セザンヌなど著名な芸術家の作品をキャンバスから磁器に移しました。各作品の底には、フィラデルフィア美術館から承認されているトレードマークが刻印されています。

本作品はポール・ゴーギャン1892 年作“聖なる山(パラヒ・テ・マラエ)”をモチーフにしています。タヒチの美しい風景をエギゾチックな暖色系の色で描いたこの作品は、彼がこの島から感じ取った情熱とバイタリティーを物語っています。

この作品は、ポールセザンヌ1873年作「オーベル シュル オワーズの景色」を基に制作されたものです。
セザンヌは、それまでの伝統的な絵画の約束事にとらわれない独自の絵画様式を探求した“近代絵画の父”と呼ばれる、キュビスムをはじめとする20世紀の美術に多大な影響を与えた偉大な芸術家でした。 彼は新しい絵のスタイルをつくるために、確実ではっきりしたタッチを用い、田園地方の景色を幾何学的なパターンに切り取りました。フランツ・デザイナーはベースの口を波形のデザインにし、グラデーションをつくるために厚い絵の具に平筆を使用し、柔らかい線とテクニックを統合し絵を生み出し、また豊かな色で活気ある田園地方の景色を表現しています。

この作品はアメデオ・モディリア一二の1917年作“ジャンヌ・エビュテルヌの肖像(青い目)”を基に制作されました。
モディリアーニーの作品は独特の長い首が特徴的ですが、本作ではさらにミステリアスな青い目を加えています。当時、彼はキュビズムに代表される極端な簡素化を嫌い、人物の特徴的な部分を強調しつつ簡素化するという技法を編み出しました。モデルは自分の生徒であり、内縁の妻でもあったジャンヌ・エビュテルヌで、愛らしい表現もありながら謎深い印象を残す作品です。

こちらはカミーユ・ピサロの1887および1902年の作品「サマーランドスケープ(夏景色)」を基に制作されたものです。
カミーユ・ビサロは“印象派の父”と呼ばれており、彼の作品は色彩で日差し、空気の流れ、及び自然の風景を表現しています。
フランツの磁器を創作する際、絵の中の風景を立体彫刻で磁器の上に表現し、更に360度の角度から均等にべースを作りこんでいます。絵の中の空の風景を上手にべースの口の部分に配置し、まるで木々が大空と築がっているような風景になっています。作品を正面から見ても、裏面から見ても、絵を楽しめます。牛飼いの少年と牛の足跡に沿って、静かな田園風景にいるようです。
※2013年6月中旬ごろ入荷予定です。

2001年に設立されたフランツ・コレクションは類を見ないアーティスィティックなデザインと品質が2002年のニューヨークインターナショナルギフトフェアで脚光を浴びました。それ以後、世界中で数々の賞を受賞しテーブルウェア、ベース、アクセサリー、ジュエリー等幅広いジャンルで活躍しています。

フランツコレクションはアール・ヌーボーとクラシックなチャイニーズアートを融合させた立体的なデザインが特徴です。独創的な観点から自然の美しさを描き、一品ずつ豊かなストーリーがあります。

陶磁器は古来より東洋文化を象徴するものでありながら、ヨーロッパで作られた陶磁器が現在の主流となっています。フランツコレクションは東洋文化の美的センスを継承しながらコンテンポラリーなデザインを取り入れることによって新しい世界観を作り出しています。

大自然から得たインスピレーションがフランツデザインの源となっています。東洋と西洋を融合させるだけではなくクラッシクとモダンな要素を取り入れ、革新的な技術を用いることによって、伝統の枠を超えた斬新なスタイルを提案しています。フランツが創る作品は良質な土と独自で開発した釉薬を使用し数百にものぼる様々な行程を経て製品化されています。

フランツが創る作品の裏にフランツのロゴ、デザイナーのサイン、彫刻師のサインがあります。ロゴになっているかもめのサインは自由と創造性を象徴し、赤い「陳」のマークは創業者のラストネームを示しています。