今年140周年を迎えたアラビア。
創業当時はロシア向けの輸出商品の製造が大半を占めていましたが、
フィンランドの独立後の20世紀初めより、フィンランド、そして北欧デザインを代表するメーカーとして、
人々が日常的に使う食器を作り続けています。

アラビアメモリーズは、アラビアの歴史の中で、最も有名なアーティストたちによりデザインされたコレクションを復刻したものです。
これらのアイテムは何年もの間、煉瓦で覆われたドアの裏でひっそりと保管されていた型を取りだして製作されました。型はアラビアの新しい工場を建設中に、偶然にも封印された部屋から発見されました。
この情緒あふれる作品たちは、半世紀も前に北欧デザインにおける“シンプルでありながら清楚で美しいフォルム”を具現化した、アラビア陶磁器の技術の高さを証明しています。

クルト・エクホルムは1930〜40年代に、製造者とデザイナーをより密接な関係、アーティストの作品を人々の生活に使えるよう実用的な商品にちかづけようと試みたデザイナーの一人でした。彼はアラビアの近代生産を指導した一人であり、アラビアの芸術部門の設立、博覧会など展示会の活動を提唱したと考えられています。
エクホルムは1907年にヘルシンキに生まれ、1932年にストックホルムの王立芸術アカデミーを卒業後1年で、アラビアのアートディレクターに就任しました。ビルガー・カイアピネンやカイ・フランクは彼の推薦で雇用され、カイ・フランクは彼が1948年に引退後、あとを引き継ぎアートディレクターになりました。シンプルなレリーフの花瓶やポットをデザインしましたが、それは使用する目的に合うことを第一に考えて作られていました。

現在アラビアでハンドペイントの商品はありません。ですが、少量のみ特別企画のような形で製造が続けられています。この四季をモチーフにしたハンドペイントのプレートも少量生産で、フィンランド国内でのみ販売されています。（現地買付品）

工芸芸術研究所の研究を終えた後、1962年にヘリヤ・リウッコ・スンドスラムはアラビアで働き始めました。
彼女は素晴らしい陶磁器の芸術家でありペインターでもあります。最も有名な作品としてイラストが入った壁飾りのタイルや、プレートのシリーズがあります。
また、絵本作家としても成功を収め、来日の経験もあります。彼女の陶磁器の製造やデザインから学んだ経験は、ジャンルを越えて、彫刻や、ヘルシンキの居住区のモニュメント製作など彼女の作品の幅を広げています。彼女は現在でもアラビアの芸術部門に所属して活動を続けており、頻繁に個展なども開かれています。