全国の京菓子ファンのみなさん、こんにちは。本社の楠橋です。
12月11日（日）に、第８回京都・観光文化検定試験が実施され
ました。昨年の試験で運よく２級に合格できた私は、今年は１級
に挑戦しました。新聞発表された模範解答で自己採点したところ、
35点（１級は150点満点）でした。次回は万全を期します。
そこで今回は、その出題範囲でもある京菓子からの問題です。
是非、チャレンジして下さいね。
【問題27】
次の（あ）から（か）は、京菓子に関する説明です。
誤っているものはいくつあるでしょうか。
下の�，�ら�い茲蠢�びなさい。
（あ） 京菓子という名称は、江戸時代、関東で呼ばれた呼び方
である。京都では、朝廷への献上菓子に由来し、上菓子
（じょうがし）と呼ばれていた。
（い） 清浄歓喜団（せいじょうかんきだん）は、飛鳥時代、
遣隋使によって伝えられた唐菓子（からくだもの）の一つ
で団喜（だんき）といわれる。密教の祈祷の際に供えられる
菓子で、一般に「御団（おだん）」、「聖天さん」とも呼ぶ。
（う） 鎌倉時代、道元禅師が禅とともに茶を持ち帰り、喫茶や
点心の風習が広まった。点心とは、決まった時間以外にとる
間食のことで、茶と一緒に、饅頭、羊羹、水繊（すいせん）、
水晶包子（すいしょうぱおず）、索麺（さくめん）などを
食べた。
（え） 室町末期、ポルトガル人との接触によって伝えられた
南蛮菓子は、京菓子に大きな影響を与えた。カステラ、
ボーロ、金平糖、有平糖、鶏卵素麺など現在まで伝わる
ものも多い。
（お） それまで一部の上層階級の嗜好品であった菓子だが、
華やかな町人文化が栄えた江戸の文化・文政期には、
庶民にも普及し始める。京菓子が大成したのも、この頃
といわれている。
（か） 茶の湯の菓子では、濃茶用の干菓子（蒸・生菓子）、
薄茶用の主菓子（落雁、煎餅、有平糖など）があり、
いずれも花鳥風月や風景など、風雅な日本的感性を表現
したものが多く生み出されてきた。
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では、解答を見ましょう。
【解答】��
【解説】
（あ）正しい。
京菓子は、京都1,200年の歴史と文化にはぐくまれ大成
された。その歩みは、まさに日本の菓子の歴史でもある。
日本の菓子は、中国から伝来した唐菓子、喫茶とともに
広がった点心、16世紀にヨーロッパから伝わった南蛮菓子
などの影響を受け、さらに宮廷文化や茶道などと結びつき、
独自の発展を遂げ、現在のような形になっている。
（い）誤り。
正しくは、奈良時代に遣唐使によって伝えられたもの。
清浄歓喜団は、米粉と小麦粉の生地で餡をつつみ、
巾着袋の形に整え、ごま油で揚げたもので、1,000年前の
姿をそのまま伝える菓子の一つである。
（う）誤り。
道元ではなく、栄西が正しい。
栄西禅師（1141〜1215）は、中国の宋（960〜1279）で
学んだ禅とともに茶の点て方（抹茶法）をわが国に伝えた。
点心の中で、もともと汁物であった羹類（あつものるい）
は現在の羊羹になり、水繊は葛きり、水晶包子は葛饅頭
などに変化した。点心には、羊羹や饅頭など、現在の京菓子
の源流をみることができる。
（え）正しい。
鎌倉時代の点心は、砂糖が極めて貴重な輸入品であった
ため、甘くないものが主流だった。これに対し、南蛮菓子は
貴重品だった砂糖を大量に使い、卵や油を用いて、その
濃厚な甘美さが日本人を魅了した。
（お）誤り。
文化・文政期（1804〜1829）ではなく、元禄期（1688〜
1703）が正しい。
（か）誤り。
干菓子（ひがし）と主菓子（おもがし）が逆になって
いる。
茶の湯の発展にともない、趣味・趣向をもちいた菓子や
有職故実にちなんだ有職菓子などが作られるようになり、
菓子にも文学性や芸術性が込められるようになった。
（参考文献）
１ 京都商工会議所 編集
『増補版 京都・観光文化検定試験 公式テキストブック』
（2010年4月12日初版発行）�蠱幻鮗�
２ （財）茶道文化振興財団 監修
『茶道文化検定公式テキストー茶の湯がわかる本―』
（2009年6月発行）�蠱幻鮗�
（余談）
ル･ノーブル男子スイーツ部は、東京のＩ社よりクリスマス
ケーキを３種類取り寄せ、19日にケーキバイキングを楽しみ
ました。各自がお気に入りのプレートを使っていたことは言う
までもありません。
それでは、次回をお楽しみに。ごきげんよう。
