ガラスは、温度差で割れる? ― 熱湯で割れる理由と、防ぐコツ ―
耐熱でないグラスに熱いお湯を注ぐと、割れてしまうことがあります。原因は「熱さ」そのものではなく、ガラスの内と外の温度差です。一般的なソーダガラスが耐えられる温度差は約60度と言われます。なぜ割れるのか、そしてどうすれば防げるのかを、やさしく整理します。
まず、割れる仕組みのキーワード
― 「耐熱温度差」と「耐熱温度」は、別物です ―
耐熱温度差とは
Thermal Shock Resistance
耐熱温度差とは、加熱した状態から急に冷やしても割れない、温度差の限界のことです。一般的なソーダガラスでは約60度前後(諸説あり)と言われます。たとえば表面が20℃のグラスに80℃のお湯なら差は60度で耐えられますが、冷蔵庫から出したての10℃だと差が70度になり割れることがあります。
「耐熱温度」との違い
Not the same thing
よく似た言葉に耐熱温度がありますが、これは「○℃までの熱に耐える」という意味で、別物です。ガラスが割れるかどうかを左右するのは、上限温度そのものではなく急な温度差(耐熱温度差)です。この違いを知っておくと、割れる理由がすっきり分かります。なおクリスタルガラスは厚みがある分、かえって急な温度差に弱い傾向があり、注意が必要です。
なぜ、温度差で割れるのか
― ふくらむ速さの、ずれ ―
熱いお湯を注ぐと、お湯に触れた面だけが先に高温になって膨張します。ところが、その熱が反対の面まで伝わるには時間がかかるため、ガラスの内と外でふくらみ方に差(歪み)が生まれます。この歪みがガラスの許容範囲を超えたとき、割れてしまうのです。冷たいガラスに熱湯、熱いガラスに冷水 ── どちらの急な温度差も、同じ理由で危険です。
20℃ → 80℃
温度差 60度 ・ 割れにくい
常温のグラスに熱いお茶。温度差が約60度に収まり、耐熱温度差の範囲内におさまりやすい目安です。
10℃ → 80℃
温度差 70度 ・ 割れやすい
冷蔵庫から出したてのグラスに同じお湯。温度差が目安を超え、割れるリスクが高まります。
※ 耐熱温度差はガラスの組成や製造方法によって異なり、一概に何度とは言えません。上記はあくまで目安です。
割らないための、3つのコツ
― 温度差を、ゆるやかに ―
寒い季節は、ぬるま湯で予熱を
冬など気温が低いときは、グラスの表面温度も下がっています。熱い飲み物を注ぐ前にぬるま湯で軽く温めておくと、温度差がやわらぎ割れにくくなります。
急な温度変化を、避ける
冷蔵庫から出したてのグラスに熱湯、熱いグラスに冷水 ── こうした急な温度差が割れの原因です。少し常温になじませてから使うと安心です。
濡れた布巾・濡れた場所に注意
耐熱ガラスであっても、濡れた布巾で触れたり、濡れたところに置くと、その一点だけ急に冷えて耐熱温度差を超えることがあります。水気にはご注意ください。
ガラスと熱の、よくある疑問
― 何度で? 耐熱なら大丈夫? ―
ガラスは、何度で割れますか?
決まった一つの温度で割れるわけではありません。目安として、一般的なソーダガラスが耐えられる温度差は約60度と言われます。つまり「何℃のお湯か」ではなく、グラスの表面温度との差が大きいと割れやすくなります。ただし組成や製法で異なるため、あくまで目安です。
「耐熱温度」と「耐熱温度差」は、同じですか?
いいえ、別物です。耐熱温度は「○℃までの熱に耐える」という上限、耐熱温度差は「急に冷やしても割れない温度差の限界」を指します。ガラスの割れやすさを左右するのは、多くの場合耐熱温度差のほうです。
耐熱ガラスなら、絶対に割れませんか?
耐熱ガラスは温度差に強く作られていますが、「絶対に割れない」わけではありません。たとえば熱いうちに濡れた布巾で触れると、その部分だけ急冷されて割れることがあります。耐熱でも急な温度差は避けるのが安心です。
熱いお茶を、気兼ねなく
― 温度差を気にせず使えるグラスも ―
熱い飲み物をよく楽しむなら、はじめから熱に強く作られた耐熱ガラスのうつわが便利です。日々の一杯に合うグラスを、コレクションからどうぞ。
よくあるご質問
― ガラスと熱についての、よくある疑問 ―
耐熱温度差とは何ですか?
加熱した状態から急に冷やしても割れない、温度差の限界のことです。一般的なソーダガラスでは約60度前後(諸説あり)と言われます。ガラスの組成や製法によって異なるため、あくまで目安です。
ガラスのコップにお湯を入れると、なぜ割れるのですか?
お湯に触れた面だけが先に膨張し、反対の面との間に歪みが生まれるためです。この歪みが許容範囲を超えると割れます。「熱さ」ではなく急な温度差が原因です。
ガラスは何度で割れますか?
決まった一つの温度はありません。目安は温度差 約60度です。何℃のお湯かではなく、グラスの表面温度との差が大きいと割れやすくなります。組成や製法で異なるため目安としてお考えください。
ガラスが割れないようにするには?
寒い時期はぬるま湯で予熱し、冷蔵庫から出したてのグラスに熱湯を注ぐなどの急な温度変化を避けるのが基本です。耐熱ガラスでも、濡れた布巾で触れると割れることがあります。
耐熱ガラスなら絶対に割れませんか?
いいえ。温度差に強く作られていますが、絶対に割れないわけではありません。熱いうちに濡れたところに置くなど、部分的な急冷で割れることがあります。
この知識を、これからの器選びに
― 今日は調べものだけ、という方も ―

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