ガラスについて ― 何でできて、どう違うのか ―
ひとくちに「ガラス」といっても、その種類は数千ともいわれます。でも、食器によく使われるガラスは、成分でみると4つのグループにまとめられます。鉛クリスタル、無鉛クリスタル、ソーダ石灰、そして耐熱ガラス。それぞれ何が違うのかを、原料からやさしく整理します。
まず、ガラスは何でできている?
― 主原料と、4つのグループ ―
ガラスとは(硝子)
Glass / SiO2
ガラス(硝子)とは、主原料の二酸化ケイ素(SiO2=ケイ砂・ケイ石)に、さまざまな金属化合物を混ぜて高温で溶かし、液体状にしてから成形したものです。加える成分によって、輝きや透明度、熱への強さが変わります。この「何を加えるか」が、ガラスの種類を分けるカギになります。
4つのグループ
Four Main Types
ガラスの種類は数千ともいわれますが、食器によく使われるものは成分で4グループに大別でき、これらで大部分を占めます。鉛クリスタル・無鉛クリスタル・ソーダ石灰ガラス・ほうけい酸ガラス(耐熱)の4つ。このほかに、少量ずつ作られる特殊ガラスもあります。
4種類のガラス・成分で見分ける
― 加える成分が、個性を決める ―
| 種類 | 主な成分 | 特徴 |
|---|---|---|
| 鉛クリスタルLead Crystal | 二酸化ケイ素・酸化カリウム・酸化鉛 | 屈折率が大きく、カットがよく輝く。日本では酸化鉛24%以上を「クリスタル」と呼びます |
| 無鉛クリスタルLead-free Crystal | 酸化カリウム・酸化バリウム・酸化チタニウム・酸化亜鉛などを10%以上(酸化鉛を含まない) | 鉛を使わず、鉛クリスタルに近い透明度・屈折率を実現。環境や安全性に配慮した現代の主流とされます |
| ソーダ石灰Soda-lime | 二酸化ケイ素・酸化ナトリウム・酸化カルシウム | 食器・窓・瓶に使われる、もっとも一般的なガラス。単にソーダガラスとも |
| ほうけい酸Borosilicate | 二酸化ケイ素・ホウ酸・酸化アルミニウムなど | 熱衝撃に強い耐熱ガラス。実験器具や耐熱食器に使われます |
※ 食器に使われるガラスの大部分がこの4種類です。ほかに、光学ガラスなど少量ずつ作られる特殊ガラスもあります。
それぞれの、素顔
― 成分の違いが、輝きと強さを生む ―
鉛クリスタルLead Crystal
二酸化ケイ素に酸化鉛を加えたガラス。ソーダ石灰ガラスより屈折率が大きく、カット模様をつけるとキラキラとよく輝きます。高級食器や装飾品に多く使われます。日本では一般に、酸化鉛を24%以上含むものを「クリスタル」と呼びます。ブランドによっては30%以上を含むものもあるとされます。
主なブランド:バカラ・ラリック・マイセンクリスタル ほか
無鉛クリスタルLead-free Crystal
酸化鉛を含まず、酸化カリウム・酸化バリウム・酸化チタニウム・酸化亜鉛などを主要成分として10%以上含むガラスです。主成分によりカリクリスタル・バリウムクリスタル・チタンクリスタルとも呼ばれます。鉛を使わずに鉛クリスタルに近い高い透明度・屈折率を実現し、健康や環境への配慮から近年広まりました。
※「無鉛」は鉛が完全にゼロという意味ではありません。原料や製造環境に由来する微量の鉛は技術的に排除できないため、各社は独自の基準値(例:0.009%=90ppm以下)を設けて管理しています。
ソーダ石灰ガラスSoda-lime Glass
二酸化ケイ素・酸化ナトリウム・酸化カルシウムからなる、もっとも一般的なガラス。多くの食器や窓ガラス、瓶に使われ、古代に最初に作られたガラスもこれと考えられています。「ソーダ」とは原料の炭酸ナトリウムのこと。ふつう単にソーダガラスと呼ばれます。
安価な日常食器や瓶、コップなどに広く使われる、もっとも一般的なガラスです。
ほうけい酸ガラス(耐熱ガラス)Borosilicate
二酸化ケイ素にホウ酸などを加えたガラス。化学的な侵蝕に強く、膨張係数が小さいため熱衝撃(急な温度変化)に強いのが特徴です。実験用ガラス器具や薬びん、そして耐熱食器に使われます。日本工業規格(JIS)では、膨張係数が65以下で120度以上の熱衝撃に耐えるものを、耐熱ガラス製食器と表示できると定めています。
主なブランド:ハリオ・ケメックス ほか
ガラスをめぐる、素朴な疑問
― クリスタルとソーダ、何が違う? ―
クリスタルガラスとソーダガラスは、何が違いますか?
加える成分が違います。クリスタルは酸化鉛などを加え、屈折率が高くよく輝くのが特徴。ソーダガラスは酸化ナトリウム・酸化カルシウムからなる、もっとも一般的なガラスです。輝きと重厚感はクリスタル、気軽な普段づかいはソーダガラス、と考えると分かりやすいです。
ガラスの原料は、何ですか?
主原料は二酸化ケイ素(SiO2)で、ケイ砂やケイ石とも呼ばれます。これに、酸化鉛・酸化ナトリウム・ホウ酸などの金属化合物を加えて高温で溶かすことで、さまざまな種類のガラスが生まれます。
4種類を、手に取って
― 成分の違いは、使い心地の違い ―
きらめく鉛クリスタル、気軽なソーダガラス、熱に強い耐熱ガラス。それぞれを代表する名窯のグラスを、コレクションからお楽しみください。
よくあるご質問
― ガラスの成分についての、よくある疑問 ―
ガラスの原料は何ですか?
主原料は二酸化ケイ素(SiO2)で、ケイ砂・ケイ石とも呼ばれます。これに酸化鉛・酸化ナトリウム・ホウ酸などの金属化合物を加えて高温で溶かし、成形してガラスになります。
食器のガラスには、どんな種類がありますか?
成分で大きく4種類に分けられます。鉛クリスタル・無鉛クリスタル・ソーダ石灰ガラス・ほうけい酸ガラス(耐熱)で、これらが食器用ガラスの大部分を占めます。
クリスタルガラスとソーダガラスの違いは?
クリスタルは酸化鉛などを加え、屈折率が高くよく輝きます。日本では酸化鉛24%以上を「クリスタル」と呼びます。ソーダガラスは酸化ナトリウム・酸化カルシウムからなる、もっとも一般的なガラスです。
無鉛クリスタルとは何ですか?
酸化鉛を含まず、酸化カリウム・酸化バリウム・酸化チタニウム・酸化亜鉛などを10%以上含むクリスタルガラスです。鉛を使わずに鉛クリスタルに近い透明度・屈折率を実現し、健康や環境への配慮から近年の主流となっています。
耐熱ガラスは、何が違うのですか?
ほうけい酸ガラスとも呼ばれ、ホウ酸などを加えることで膨張係数が小さく、熱衝撃に強いのが特徴です。JISでは膨張係数65以下・120度以上の熱衝撃に耐えるものを耐熱ガラス製食器と定めています。
この知識を、これからの器選びに
― 今日は調べものだけ、という方も ―

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