Luxury Selection vol.06 マイセン 伝統と現代のアール・ヌーヴォー
マイセンには二つの方向性があります。過去、つまり伝統に生きるマイセンと、未来も視野に入れた現代(当時)のマイセンです。19世紀末、産業革命が進み、安価な食器が他窯で大量に作られるようになったこともあって、マイセンといえども、伝統に安住してはいられなくなりました。当時ヨーロッパで大流行していた、曲線を特色とするアール・ヌーヴォーの新様式を我が物にするため、マイセンは外部の芸術家と契約して、総力をあげてこの様式の習得と発展に努めました。外国の新様式を、マイセンの職人たちが一から習い覚えるよりも、他で名をなしているアーティストの力を借りたほうが早いし、質も高くなるという合理的な考え方です。しかし、他ですでに名を成したアーティストたちとは言え、伝統と格式高いマイセンで新しい製品を作ることは勇気のいることであったでしょう。芸術家の中にはすでに他で名を成して、マイセンに呼ばれた人が多かったのですが、ユリウス・コンラート・ヘンチェル(1872-1907年)はマイセンに生まれ、製作所の養成所で学んだ生粋のマイセン人でありました。

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