№ 01
切子工房 昌榮 天満切子 十八縞 ロックグラス 青
硝子・ロックグラス・色被せ
大阪の切子工房 昌榮による天満切子。十八縞の繊細なカットと青の色被せが、江戸切子の系譜を関西の風土で受け継ぐ一脚です。
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An Editorial · Kiriko 1834-Now
1834年加賀久から島津斉彬、ホープトマンを経て、現代工房の色被せ多色多型へ。
江戸時代末期、加賀屋久兵衛が金剛砂で生んだ日本最初の江戸切子。薩摩藩主・島津斉彬が育てた薩摩切子の興亡、1882年エマヌエル・ホープトマンによる近代化、そして現代の天満切子・廣田硝子・深川硝子・石塚硝子へ受け継がれる色被せの技法──200年の系譜を辿る読み物です。
Prologue · Origin of Kiriko
── 正倉院「白瑠璃碗」から江戸時代のカットガラスへ ──
「切子」とは、字のとおりガラスを切って模様を施す装飾技法、すなわちカットガラスのことです。古代日本では正倉院に伝わる「白瑠璃碗」(しろるりわん)が知られていますが、これは輸入品で、日本国内でのカットガラスは江戸時代中頃に中国から技法が伝来して始まったとされています。江戸時代終わりには西洋からカットを施した「ギヤマン」が入り、1834年(天保5年)、江戸大伝馬町のビードロ屋・加賀屋久兵衛(通称「加賀久」)が金剛砂でガラス表面を彫刻し、日本最初の江戸切子を生み出しました。本特集は、加賀久から200年──江戸切子・薩摩切子の歴史と、その伝統を継ぐ現代工房の色被せ多色多型を辿る構成です。
Chapter 01 · 1834 ― Kaga Kyu
── 江戸大伝馬町のビードロ屋、金剛砂で生まれた庶民の手のカットガラス ──
江戸時代末期の日本橋・通油町には「加賀屋」という硝子・眼鏡問屋があり、その暖簾分けとして加賀屋久兵衛が大伝馬町でビードロ屋を構えました。鎖国下の日本でもオランダとの貿易を通じてカットガラスが輸入されており、加賀屋一枚刷りカタログには多くのカットガラス製品が記載されています。1834年、加賀久は金剛砂を用いてガラス表面に彫刻を施し、日本最初の江戸切子を完成させました。これが「庶民の手によるカットガラス」として、江戸の暮らしに広がっていく最初の一歩となりました。
Chapter 02 · 1851-1863 ― Satsuma Kiriko
── 美術工芸品としての色被せ、わずか十数年の輝き ──
江戸切子が庶民の手で広がった一方、薩摩藩では藩主・島津斉彬(1809-1858)が手厚い保護の下、最高水準の研究と開発を行い、美術工芸品として「薩摩切子」を生み出しました。色被せ(いろぎせ)の厚みのある色硝子に深い切り込みを施す技法は、薩摩切子の真骨頂でした。しかし1858年に島津斉彬が急逝し、1863年の薩英戦争でガラス工場が破壊されたことで、薩摩切子はわずか十数年で消滅します。残された職人たちは江戸へ移り、色被せの技法を江戸切子に持ち込みました。これが現代まで続く「色被せ江戸切子」の起源です。
Chapter 03 · 1882 ― Emanuel Hopman
── 英人技師の招聘と、矢来・菊・麻の葉・籠目・あられの和の文様 ──
明治維新後、政府は欧米文物の導入を推進し、ガラス工業の近代化を進めました。1882年(明治15年)、英人技師エマヌエル・ホープトマンが日本に招かれ、欧米の硝子カット技術を江戸切子の職人たちに伝授しました。これにより、伝統的な手作業の技法に近代的な技術が加わり、江戸切子は工芸品としても工業製品としても発展していきます。矢来、菊、麻の葉、籠目、あられといった和の文様は、着物の意匠にも見られる繊細な伝統を硝子に翻案し続けています。本特集に並べた現代工房群の色被せ多色多型は、すべてこの加賀久・島津斉彬・ホープトマンの仕事を200年の系譜として受け継いでいます。
1834年(天保5年)、江戸大伝馬町のビードロ屋・加賀屋久兵衛(通称「加賀久」)が、金剛砂でガラス表面を彫刻して作ったのが日本最初の江戸切子です。それ以前にもオランダからの輸入カットガラスがありましたが、国内製作の起点は加賀久による1834年とされています。
薩摩切子は薩摩藩主・島津斉彬(1809-1858)の保護下で、藩の最高技術として開発された美術工芸品。厚い色被せに深いカットを施す格調高い意匠が特徴です。江戸切子は江戸の庶民の手によるカットガラスとして広がった、より日常的な工芸品でした。1863年薩英戦争で薩摩切子は消滅し、職人が江戸に移って色被せ技法を江戸切子に持ち込んだ歴史があります。
透明なガラスの上に薄く色硝子の層を被せる技法で、表面をカットすると下の透明部分が現れ、色と透明のコントラストが美しい意匠を生みます。薩摩切子で確立され、江戸切子に受け継がれた切子の真骨頂です。
矢来(やらい・斜め格子)、菊、麻の葉、籠目(かごめ)、あられといった文様が代表的です。いずれも江戸時代の着物意匠にも見られる伝統的な和の文様で、ガラスに翻案されて切子の繊細な表情を生み出します。
1882年(明治15年)に日本政府がガラス工業近代化のために招聘したイギリス人技師エマヌエル・ホープトマンのことです。彼が江戸切子の職人たちに欧米のカット技術を伝授したことで、伝統的な手仕事に近代的な技術が融合し、江戸切子は工芸品としても工業製品としても発展しました。
The Selection
── 天満切子 / 廣田硝子 / 深川硝子工芸 / 石塚硝子 ──
№ 01
硝子・ロックグラス・色被せ
大阪の切子工房 昌榮による天満切子。十八縞の繊細なカットと青の色被せが、江戸切子の系譜を関西の風土で受け継ぐ一脚です。
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硝子・片口・色被せ
蓮の意匠を映した片口。金紫の色被せが酒器としての格調を高め、薩摩切子の系譜を現代に伝える一作です。
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硝子・ぐいのみ・48ml
明治32年創業の廣田硝子による BAMBOO シリーズ。竹の節を写した意匠が、和の酒席に静かな趣を加える小ぶりなぐいのみです。
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硝子・ぐいのみ・80ml
同じ竹意匠を金色(金竹)で展開した大ぶりサイズ。青竹と並べると、竹林の色彩が小さな酒席に立ち上がります。
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硝子・タンブラー・300ml
「あられ」の伝統文様を、雪のように降る粒で映した白磁のタンブラー。和食器のリムにも見られる古典意匠を、ガラスに翻案した一品です。
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硝子・小皿・16cm
あられの粒を花のかたちに散らした桜色の小皿。和菓子や前菜を盛れば、テーブルに静かな春が広がります。
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硝子・そばちょこ/ロックグラス・144ml
十草(縦縞)の伝統文様を大正浪漫のテイストで再構成した一脚。そばちょこにもロックグラスにも使える144mlの汎用サイズです。
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硝子・醤油差し・130ml
籠目の文様を施した琥珀色の醤油差し。明治・大正の食卓道具を現代に復刻した一作で、和食卓に物語性を添えます。
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硝子・ロックグラス ペア
深川硝子工芸による現代的な切子表現「CRACKS」。割れを意匠化したペアロックグラスで、伝統文様の枠を超えた現代切子の新潮流を映します。
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硝子・オールド ペア・345ml
桜の花弁を散らした石塚硝子の代表作。日本の四季を一脚に閉じ込めたペアグラスで、慶事の食卓やギフトにも選ばれる一品です。
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── ホープトマンの近代化技法を受け継ぐ、もう一つの系譜 ──
Brand 01 · KAGAMI CRYSTAL
Brand 02 · KIRI-KO
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