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ギリシャ神話と洋食器|神々と英雄の物語 ヨーロッパ磁器の歴史

ウェッジウッド ジャスパー ─ ギリシア神話の浮彫プレートと青いジャスパー花瓶・置時計の古典的なしつらえ
ウェッジウッド ジャスパー ─ ギリシア神話の浮彫プレート(※画像はイメージです。掲載商品以外を含みます)

An Editorial · Greek Myth on Porcelain

ギリシャ神話と洋食器 神々と英雄の物語 ヨーロッパ磁器の歴史

1774年ジャスパー発明、1790年ポートランドベース完成。

ジョサイア・ウェッジウッドが1774年に発明したジャスパー(無釉炻器)は、深い青地に白い古典浮彫でギリシア神話の神々を映し出します。1790年に完成したポートランドベースから2026年のヘルメス・イヤープレートまで、250年続く神話の物語を辿る読み物です。

Chapter 01 · 18C — Neoclassicism

ギリシャ神話と陶磁器 ─ 18世紀新古典主義のリバイバル

ギリシャ神話の神々を磁器・陶器の装飾に取り入れる伝統は、18世紀後半のヨーロッパで急速に高まった「新古典主義(Neoclassicism)」の流れに沿って花開きました。ローマ帝国の遺跡発掘(1748年ポンペイ発掘開始)、ジョン・フラックスマンらによるギリシア・ローマ古典美術の再評価、グランドツアー(貴族子弟のイタリア・ギリシャ周遊旅行)の流行 ── これらが、ロココ風の絢爛装飾から離れ、古代ギリシャ・ローマの透徹したミニマリズムへと装飾芸術の重心を移していきました。陶磁器においてもその流れは決定的で、ウェッジウッドのジャスパー、リチャード・ジノリのカポディモンテ・カラー(ケレス・ポセイドン・プルート)、マイセンの「神々と英雄」シリーズなど、ヨーロッパの名窯が競って古代神話モチーフを採用しました。一つの神話の場面が、磁器の表面に浮き彫りとして甦るとき、食卓は古代の物語が再演される小さな劇場となります。

Chapter 02 · 1774 — Jasper Ware

ジョサイア・ウェッジウッドのジャスパー発明 ─ 1774年

── ジョン・フラックスマンとの協働 ──

ジョサイア・ウェッジウッド(1730-1795)は、英国スタッフォードシャー地方の陶工の家に生まれ、9歳で家業を継ぎました。1759年に独立工房を構えると、彼は陶器の科学的研究に没頭します。何千回もの実験を経て、1774年、ついに「ジャスパー(Jasper Ware)」を発明しました。ジャスパーは硫酸バリウムを含む無釉炻器(むゆうせっき・釉薬をかけずに高温焼成した硬質陶器)で、表面に施した白いレリーフ(浮彫装飾)が深い青地(ジャスパーブルー)の上に古代ギリシャ・ローマの美術を映し出します。ウェッジウッドはジャスパーの装飾に、当時の彫刻家ジョン・フラックスマン・ジュニア(1755-1826)を起用しました ── フラックスマンはギリシャ神話の場面(ヘラ・ゼウス・アポロン・アテナ・ヘルメスなど)や古代神殿のレリーフを、磁器のサイズに翻案しています。一つの食器の側面で、神々が囁き合う ── ジャスパーは陶磁器を「物語る装置」に変えました。

Chapter 03 · 1790 — Portland Vase

ポートランドベース ─ 1790年 ウェッジウッドの傑作複製

── 1世紀ローマ帝国カメオガラスから4年がかりで ──

ジャスパーが世界的名声を確立した最大の事件は、1790年に完成した「ポートランドベース(Portland Vase)」の複製です。原作は1世紀のローマ帝国時代に作られたカメオガラスで、1786年にポートランド公爵夫人が大英博物館に寄贈する直前、ジョサイア・ウェッジウッドが借りて複製を試みました。原作のガラス層を再現するため、ウェッジウッドは何度も実験を重ね、4年がかりで黒地に白い古典浮彫の傑作を完成させます。「ポートランドベース」はウェッジウッド最大の傑作と呼ばれ、その後250年以上にわたって繰り返し再生産されてきました。本特集に並べたジャスパー ブラック ポートランドベースは、その傑作の系譜を継ぐ一品です。一方、年に一度発表される「ジャスパー イヤープレート」シリーズでは、毎年異なる神話モチーフが描かれます ── 2025年はアテナ、2026年はヘルメス。神々が時を超えて、私たちの食卓に降り立ちます。

Chapter 04 · Now — Gods on Modern Table

現代の食卓へ ─ 神々が降りる小さな劇場

ジャスパー発明から250年が経過した今日、ジョサイア・ウェッジウッドの遺産はル・ノーブルでも継承されています ── ただし、年代品の特性ゆえ、ジャスパー全6点中4点は廃番状態であり、現役在庫が非常に貴重です。本特集に並べたのは、現在ル・ノーブルで入手できる希少な2点 ── ジャスパー ライラック イヤープレート 17cm ヘルメス 2026年と、ジャスパー ブラック ポートランドベースです。前者は1976年から続くイヤープレート伝統の最新作で、ライラック地に白いヘルメス(伝令の神・旅人と商人の守護神)が浮き彫りされています。後者は1790年の傑作を継ぐブラック地のオブジェで、黒地に金彩を施した古典浮彫が、装飾的なテーブル中央に飾るだけで神話の物語が始まる存在感を放ちます。古代ギリシャの神々がつむぐ物語は、ジャスパーという器を介して、いま私たちの暮らしの中で再び語られています。

よくあるご質問

Q1: ジャスパー(Jasper Ware)とは?

1774年、ジョサイア・ウェッジウッドが発明した無釉炻器です。硫酸バリウムを含み、深い青地に白い浮彫装飾が施されるのが特徴で、古代ギリシャ・ローマの古典美術モチーフを磁器サイズに翻案しています。

Q2: ポートランドベースとは?

1世紀ローマ帝国のカメオガラスを原作とする作品です。1786年にポートランド公爵夫人が大英博物館へ寄贈する直前、ジョサイア・ウェッジウッドが借り受け、4年がかりで1790年に複製を完成させました。ウェッジウッド最大の傑作とされています。

Q3: ジョン・フラックスマンとは?

1755-1826年に活動した彫刻家で、ウェッジウッドが起用した人物です。ジャスパーの装飾デザインを担当し、ギリシャ神話の神々や古代神殿のレリーフを磁器サイズに翻案しました。

Q4: ジャスパー イヤープレートとは?

毎年異なる神話モチーフを描くウェッジウッドの伝統シリーズです。2025年はアテナ、2026年はヘルメスを題材とし、過去にはヘラ・ゼウス・アポロンなども採用されてきました。

Q5: ジャスパーは食洗機・電子レンジに使えますか?

ジャスパーは一般的に、美術工芸品として鑑賞・贈答にお使いいただくのが主な用途です。食洗機・電子レンジのご使用は推奨しておりません。詳しくは各商品の仕様欄をご確認ください。

The Selection

ジャスパー 希少現役在庫 2選

── ヘルメス2026年 / ポートランドベース ──

№ 01

ウェッジウッド ジャスパー ライラック イヤープレート 17cm ヘルメス 2026年/令和8年

無釉炻器・直径17cm

ウェッジウッド ジャスパー ライラック イヤープレート 17cm ヘルメス 2026年 ライラック地に白い浮彫

1976年から続くイヤープレート伝統の最新作です。ライラック地に、伝令の神・旅人と商人の守護神ヘルメスが白い浮彫で表現されています。プレートスタンド付きで、飾ってお楽しみいただけます。

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№ 02

ウェッジウッド ジャスパー ブラック ポートランドベース

無釉炻器

ウェッジウッド ジャスパー ブラック ポートランドベース 黒地に金彩の古典浮彫

1世紀ローマ帝国のカメオガラスを原作とし、1790年にウェッジウッドが完成させた傑作の系譜を継ぐオブジェです。黒地に金彩を施した古典浮彫が、テーブル中央で静かな存在感を放ちます。

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ジャスパー シリーズについて

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