Chapter 01 · 18C — Neoclassicism
ギリシャ神話と陶磁器 ─ 18世紀新古典主義のリバイバル
ギリシャ神話の神々を磁器・陶器の装飾に取り入れる伝統は、18世紀後半のヨーロッパで急速に高まった「新古典主義(Neoclassicism)」の流れに沿って花開きました。ローマ帝国の遺跡発掘(1748年ポンペイ発掘開始)、ジョン・フラックスマンらによるギリシア・ローマ古典美術の再評価、グランドツアー(貴族子弟のイタリア・ギリシャ周遊旅行)の流行 ── これらが、ロココ風の絢爛装飾から離れ、古代ギリシャ・ローマの透徹したミニマリズムへと装飾芸術の重心を移していきました。陶磁器においてもその流れは決定的で、ウェッジウッドのジャスパー、リチャード・ジノリのカポディモンテ・カラー(ケレス・ポセイドン・プルート)、マイセンの「神々と英雄」シリーズなど、ヨーロッパの名窯が競って古代神話モチーフを採用しました。一つの神話の場面が、磁器の表面に浮き彫りとして甦るとき、食卓は古代の物語が再演される小さな劇場となります。

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