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ジョサイア・ウェッジウッド|英国洋陶の父と呼ばれた創業者の伝記

ジョサイア・ウェッジウッド メインビジュアル ── 1730-1795 英国洋陶の父

ジョサイア・ウェッジウッド|英国洋陶の父と呼ばれた創業者の伝記

ウェッジウッド社は「英国洋陶の父」と称えられたジョサイア・ウエッジウッドによって、1759年に創設されました。以来250年余り、アートとクラフトマンシップの伝統と現代技術の見事な融合から生まれた高品質の陶磁器を、世界へ送り出し続けています。

1795年に没するまで数々の発明を生み出したジョサイアは、科学と美と事業を一体化させた稀有な人物でした。「質の高さ」と「多くの人々の手に」── 一見、相反した理想を実現させた彼の業績は、窯業の世界をはるかに超えて、時代の精神そのものを大きく変革しました。

本企画では、ジョサイア時代(18世紀後半~19世紀初頭)に創られた代表的な6種のティーポット、そしてジョサイアの精神を受け継ぐ現代のウェッジウッド ティーポット 6選を通じて、「ティーポットの250年」をご紹介します。

ジョサイア・ウェッジウッド ── 英国洋陶の父、その生涯

1730年スタッフォードシャーから始まった、陶磁器革命

1730年7月、ジョサイア・ウェッジウッドはイギリス・スタッフォードシャー州バーズレムの陶工一家に生まれました。9歳で父を亡くした後、兄のもとで陶工としての修業を始めますが、若くして天然痘にかかり、後遺症として右膝に障害が残ります。ろくろを蹴ることができなくなった彼は、実技から「研究」へと自らの道を方向転換することを余儀なくされました。

この障害こそが、結果として彼を陶芸を科学にした人物へと導きます。世界中から粘土を取り寄せて分析し、釉薬や焼成温度を徹底的にデータ化。数千回にも及ぶ実験記録をシークレットコードとして残し、複製可能な工業へと陶芸を発展させました。

1759年、スタッフォードシャーで最初の自分の工房を構えたジョサイアは、その後、革新的な素材「クィーンズウェア」をシャーロット王妃に献上して大成功を収めます。続いて「ブラックバサルト」「ジャスパーウェア」と次々に新素材を発明し、ウェッジウッドを英国王室御用達のブランドへと押し上げました。

1795年にこの世を去るまで、ジョサイアは陶工としてだけでなく、産業革命を支えた起業家、奴隷貿易反対運動の活動家、そして科学者として、多面的な業績を残しました。彼の血脈は、孫のチャールズ・ダーウィン(進化論)にも受け継がれていきます。

「いつの時代も新しい。」── ジョサイアの遺した言葉は、250年を経た今もウェッジウッドの哲学として息づいています。

ジョサイアの素材革新 ── クィーンズウェア・ブラックバサルト・ジャスパー

「半貴石」を陶磁器に閉じ込めた、生涯の挑戦

クィーンズウェア(Queen's Ware・1762年):クリームウェアを改良した薄手の食器を、1765年にシャーロット王妃に献上したことから「Queen's Ware(女王の陶器)」と命名されました。それまで王侯貴族の独占物だった上質な食器を中産階級にも手の届くものにした、ウェッジウッド最大の社会的成功です。

ブラックバサルト(Black Basalt・1768年):玄武岩を思わせる漆黒のストーンウェア。古代エジプトやエトルリアの陶器にインスピレーションを得た、新古典主義時代の象徴的素材。彫像や半身像(ブスト)として宮廷を彩りました。

ジャスパーウェア(Jasperware・1774年):1万回にも及ぶ実験の末に完成した、白カメオレリーフの代名詞。ペールブルー、ライラック、ペールグリーン、ブラックなど複数のカラーで展開され、新古典主義の意匠を最も美しく映し出す素材として、ウェッジウッドの代名詞となりました。

ケーンウェア(Caneware・1783年):5年の試行錯誤の末に完成した、籐(ケーン)の温かみを表現した黄褐色のストーンウェア。

これらの素材はすべて、天然の「半貴石」── 大理石、めのう、ラピスラズリ、花崗岩などの模様を陶磁器に再現する試みから生まれたものです。粘土の配合、焼成温度、釉薬の組み合わせ ── ジョサイアが残した膨大な実験記録は、現在もウェッジウッド・アーカイヴに保管され、彼の科学的精神を今に伝えています。

ジョサイア時代の名作ティーポット 6種

18世紀後半~19世紀初頭、ジャスパーが描いた古典美の世界

ジョサイア時代(18世紀後半~19世紀初頭)に創られたティーポットの中から、6種類の代表的な形やデザインをご紹介します。いずれもウェッジウッドが今なお「プレステージ・コレクション」として大切にしているシェイプとレリーフです。

①:Dancing Hours(ダンシングアワー)

ジャスパーのカメオとしてもっとも有名な「Dancing Hours」は、19世紀後半にデザイナーとして数々のカメオをデザインしたジョン・フラックスマンによって創られました。

ギリシャ神話のホーライ(季節と秩序の女神たち)を表現した「Dancing Hours」は、紀元前の古代ギリシャ彫刻を元にデザインされており、さまざまなプレステージピースを始めとして現在も使われている、ウェッジウッドの新古典主義を代表するデザインです。

ポットのシェイプの原型は19世紀初頭に創られました。レリーフの繊細な細工加工が、ジャスパー上に美しく配されています。

ジャスパー ティーポット Dancing Hours(ホーライ・季節の女神たち)

②:Domestic Employment(ドメスティック・エンプロイメント)

ジョサイアと交友があり、アーティストとしても知られたエリザベス・レディ・テンプルトン(1747-1823)によりデザインされた「Domestic Employment(日常生活)」。

18世紀後半にエトルリア工場において、ウィリアム・ウッドの手によりジャスパーのモチーフとして完成しました。当時の日常生活を題材としたこのデザインは、女性と子供たちの日常を情緒的に描いています。

ポットのシェイプは18世紀に製作された原型をヒントに作られました。ポット下部の縁と蓋のツマミに施された装飾が、ポットのシェイプを引き立てています。

ジャスパー ティーポット Domestic Employment(テンプルトン作 18世紀後半)

③:The Garland(ガーランド)

一定間隔に配置されたデイジーのオーナメントから伸びたスイカズラの花が、まるで風に吹かれて揺れているようです。ガーランド(Festoon・花綱)はジャスパーの数々のプレステージアイテムを装飾するモチーフとして、頻繁に使われてきました。

白のモチーフとジャスパーのライトトープのコントラストが美しいデザインです。

ティーポットのシェイプは19世紀に創られたエレガントな「エンパイア・シェイプ」をヒントにしています。

ジャスパー ティーポット The Garland(花綱・エンパイアシェイプ)

④:Classical Cameos(クラシカルカメオ)

ギリシャ神話をテーマにした白い系のモチーフを、黒のジャスパー地に美しくデザインしたものです。有名な「Dipping(アキレスを冥府の川に浸すテティス)」もモチーフの一つになっています。

1774年、ジョサイア・ウェッジウッドは1万回もの試作の末、ブランドの代名詞でもある「ジャスパー」を発明しました。ジャスパーの初期の作品の多くには、このような古代ギリシャ神話の情景が描写されています。

ティーポットのシェイプはナポレオンのエジプト遠征と同時代である19世紀初頭を想起させます。

ジャスパー ティーポット Classical Cameos(黒地白カメオ・ギリシャ神話)

⑤:The Ulysses Teapot(ユリシーズ・ティーポット)

このシンプルなフォルムから、19世紀末頃のウェッジウッドのデザインであることがうかがえます。非常に繊細な縁取りのレール模様の装飾が、ポットの上下に施されています。明るい茶色と淡い茶色のコントラストによって、オーナメントの繊細な装飾が際立って見えます。

レリーフのデザインは「勝利のチャリオット(古代の戦車)」の前に立つユリシーズ ── ギリシャ神話の有名なシーンの一つです。

ジャスパー ティーポット The Ulysses Teapot(ユリシーズと勝利の戦車)

⑥:The Egyptian(エジプシャン)

「エジプシャン・ティーポット」は19世紀初頭の古典的なデザインです。一見ユニークなシェイプのハンドルも、ティーポット全体として、緻密なバランスがとられたデザインとなっています。

中央のフラワーを囲う輪が交差し重なり合った白の帯状の装飾によって、ポットのデザインの芸術性がより高められています。

ナポレオンのエジプト遠征以降、ヨーロッパ全土で巻き起こった「エジプシャン・リバイバル」の影響を強く受けたデザインです。

ジャスパー ティーポット The Egyptian(19世紀初頭エジプシャン・リバイバル)

現代のウェッジウッド ティーポット 伝統柄編

ジョサイアの古典が、今もティータイムに息づく

ジョサイアが追求した古典美と素材革新の精神は、現代のウェッジウッドのティーポットコレクションにも色濃く受け継がれています。アフタヌーンティーの伝統を彩る3つの伝統柄をご紹介します。

ワイルドストロベリー ティーポット L 1200ml

1965年から続く、ウェッジウッドの最愛のロングセラー柄。野苺と蝶を散らした繊細な草花柄は、英国のティーガーデンを思わせる優しい世界観を、食卓に運んでくれます。

ウェッジウッド ワイルドストロベリー ティーポット L 1200ml

フロレンティーン ターコイズ ティーポット S 600ml

1874年デザインの古典柄を、鮮やかなターコイズで現代に蘇らせたシリーズ。グリフィンと唐草文様のボーダーは、ジョサイア時代の新古典主義の流れを色濃く感じさせます。

ウェッジウッド フロレンティーン ターコイズ ティーポット S 600ml

インタグリオ ティーポット 1000ml

「彫る」という意味のイタリア語に由来する、ジャスパー的なカメオ意匠をボーンチャイナに引用したシリーズ。新古典主義の精神を、現代のテーブルへ。

ウェッジウッド インタグリオ ティーポット 1000ml

現代のウェッジウッド ティーポット 現代柄編

「いつの時代も新しい」── 現代デザイナーが紡ぐ、新しい古典

ジョサイアが「いつの時代も新しい」と語った革新精神は、現代の若いデザイナーたちにも受け継がれています。伝統に縛られず、現代の暮らしに自由に馴染む3つの新しい古典をご紹介します。

バタフライブルーム ティーポット 370ml

色とりどりの蝶と草花が舞う、ステラ・マッカートニーとのコラボレーションから生まれたモダン・ボタニカル。スマートで軽やかな370mlのティーポットは、ひとりの午後のお茶時間にも、ふたりの会話にも。

ウェッジウッド バタフライブルーム ティーポット 370ml

ジオ ティーポット 450ml

幾何学(Geo)模様をモダンに展開した、コンテンポラリーな雰囲気のシリーズ。450mlのコンパクトサイズは、現代のキッチンスタイルに自然に溶け込みます。

ウェッジウッド ジオ ティーポット 450ml

ワンダーラスト ウォーターリリー ティーポット 1L

旅情を意味する「Wanderlust(ワンダーラスト)」シリーズ。睡蓮を題材にした繊細な多色刷りが、1Lの存在感のあるシルエットに広がります。

ウェッジウッド ワンダーラスト ウォーターリリー ティーポット 1L

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