Luxury Selection vol.56 ロイヤル・クラウン・ダービー 英国王室御用達
企業家たちが生んだイギリスの磁器
Luxury Selection vol.56 ロイヤル・クラウン・ダービー 英国王室御用達
企業家たちが生んだイギリスの磁器
イギリスはドイツと並ぶ、ヨーロッパ有数の磁器生産の産地です。しかし、当初は磁器に必要な上質のカオリンに恵まれず、またヨーロッパ本土とは海を隔てている地理的条件からイギリス磁器の歴史は、他の国々に比べて後れを取りました。そのような悪条件の中にも関わらず、イギリスはいち早くすすんだ産業革命により、多数の製陶業者が活発な競争を繰り広げ、さまざまな種類の焼き物が作られました。またウェッジウッドのジャスパーウェア、ボーンチャイナ、銅板プリントなど歴史に残る発明、発見の多くがイギリスでされました。イギリス最初の磁器窯は、1745年ごろにロンドン西部のチェルシーに設立されました。チェルシー窯はマイセンやセーブル、中国磁器、日本の有田焼などの模倣を行っていましたが、1770年にダービー窯のウィリアム・デューズバリーに転売されました。そのダービー窯のスタートは1748年。もともとは小さな軟質磁器の窯でしたが、1756年、企業家のウィリアム・デューズベリーが参加して、チェルシー窯などの近隣の名窯を次々に傘下に収め、急成長しました。ダービー窯は1775年にはジョージ3世から「クラウン」を、1890年にはヴィクトリア女王から「ロイヤル」を社名に冠することを許されました。これにより磁器の老舗は「ロイヤルクラウンダービー」と呼ばれるようになりました。
1775年にロイヤルクラウンダービーが発表した「IMARI」は、伊万里の金蘭手を写した、艶やかな金彩と赤、黒のコントラストが特徴の豪華絢爛なパターン。この作品の発表はイギリスの王侯貴族の間でオリエントブームを起こし、230年を経た今でも作り続けられており、ロイヤルクラウンダービーを代表するパターンの一つとなっています。マイセンの柿右衛門写しとならんで、ヨーロッパ磁器の日本風パターンの典型ともなりました。
語り継がれる陶工たちの情熱
ロイヤルクラウンダービーの窯があるダービーという街は、イギリス中部の工業都市です。同社はそこで、今も昔も変わらず高品質のテーブルウェアを250年以上作り続けています。その間、世界は目覚ましい進歩を遂げ、人々の生活様式も大幅に進化し、昔からの形式的な食事は、家族や友人など身近な人たちと楽しむためのよりカジュアルなものへと変化しました。この変化は、ロイヤルクラウンダービーを取り巻く環境にも影響しました。伝統的なテーブルウェアの魅力を失うことなく、時代の流れに沿って、多様な食事の機会に対応するようパターンやアイテムを増やし、人々に食器を選ぶ楽しみを与えてきました。高貴なコバルトブルーや、アイアンレッド、金の伊万里スタイルのデザインなど様々なパターンが生み出され、ロイヤルクラウンダービーはその地位を確固たるものへと導きました。このように時代の流れに併せて変革を遂げてきたロイヤルクラウンダービーですが、同社が変わらず大切にしていること、それは創業当初より受け継がれ続けてきた職人たちの技術です。同社では今でも金メッキ職人が食器1点1点に手作業でメッキを施しています。ロイヤルクラウンダービーはこれからも、その長い伝統を受け継ぎながら、現代の人々のライフスタイルや好みにあった新しいシリーズを開発し、時代に柔軟に対応しながら最高品質のテーブルウェアを作り続けていくことでしょう。
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