Limoges · Capital of French Porcelain
リモージュフランス磁器の街
1771年カオリン発見から続く、白い宝石の物語
フランス・リムーザン地方の中心都市リモージュは、1771年のカオリン発見を起点にヨーロッパを代表する硬質磁器の街となりました。本ページは、リモージュ磁器の歴史と3名窯(J.L コケ・ジャック・ペルゲイ・デズリエ)の輪郭を、編集調でたどる歴史紹介ページです。
Limoges · Capital of French Porcelain
1771年カオリン発見から続く、白い宝石の物語
フランス・リムーザン地方の中心都市リモージュは、1771年のカオリン発見を起点にヨーロッパを代表する硬質磁器の街となりました。本ページは、リモージュ磁器の歴史と3名窯(J.L コケ・ジャック・ペルゲイ・デズリエ)の輪郭を、編集調でたどる歴史紹介ページです。
PROLOGUE
リモージュ(Limoges)は、フランス中部・リムーザン地方の中心都市です。ガリア=ローマ時代から交通の要所として栄え、中世にはサンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼者で賑わいました。エマイユ(七宝焼)の伝統が古くから根づき、1771年にこの地で硬質磁器(高温焼成の白磁素材)の製造が始まると、リモージュは「白い宝石」と称される磁器の街として、ヨーロッパ磁器史の主要な舞台のひとつとなります。
本ページは、リモージュ磁器の起源(1768年カオリン発見・1771年窯開設)から、19世紀後半の黄金時代、そして現在まで続く「メイドインフランス」へのこだわりまでを、編集の視点でまとめた歴史紹介ページです。
Chapter 01 · 1771 — KAOLIN
1768年、リムーザン地方サンティリエでカオリン(kaolin、磁器の主原料となる白陶土)が発見されました。中国・景徳鎮を支えた素材と同質のこの白陶土は、まずパリ郊外のセーヴル王立磁器製作所へ運ばれます。
しかし、カオリンの行方を見守っていたリモージュの人々は、自らの手で硬質磁器を製造しようと立ち上がります。1771年、リモージュに最初の磁器窯が開かれました。当時のリムーザン知事トゥルゴ(Anne Robert Jacques Turgot、後のフランス財務総監)は、磁器製造を地域産業として育成すべく支援を行い、その資本は実業家グルレ兄弟がもたらしたと伝えられます。
もともとリモージュには、12世紀以来の七宝焼(エマイユ)の技術と装飾文化が根づいていました。新興の磁器産業はこの土壌に華麗に開花し、1774年にはリモージュ製陶所が国王ルイ16世の弟アルトワ伯爵(のちのシャルル10世)の保護下に置かれます。1789年のフランス革命でセーヴル王立磁器製作所が一時混乱に陥ると、その職人の多くがリモージュへ移住し、リモージュ磁器の技術と意匠は飛躍的に発展しました。
Chapter 02 · WHITE GOLD
17世紀後半から18世紀初頭にかけて、ヨーロッパでは東洋から渡来した白磁が「白い宝石」と称され、王侯貴族の蒐集対象となっていました。当時、硬質磁器の製法は中国・日本の独占技術であり、ヨーロッパでは長く再現が叶わない素材だったのです。
この状況に最初の風穴を開けたのが、1709年のザクセン公国(現ドイツ)でした。ヨハン・フリードリヒ・ベトガーの研究により欧州初の硬質磁器が完成し、1710年にマイセン磁器製作所が創設されます。フランスも同時期、軟質磁器(やや低温で焼成する代用磁器素材)のセーヴル焼で名声を博していましたが、ポンパドゥール侯爵夫人や王妃マリー・アントワネットの庇護を背景にしてもなお、硬質磁器の自国生産はフランスの長年の悲願でした。
マイセンの製法は門外不出でしたが、フランスは情報収集と研究を重ね、硬質磁器の組成までは把握していました。残る課題は素材―主原料となるカオリンを国内で発見することだったのです。1768年のリムーザン地方での発見は、まさにフランス磁器史の転換点でした。
Chapter 03 · MADE IN FRANCE
19世紀後半は、リモージュ磁器の黄金時代と呼ばれます。万国博覧会への出展は名工と窯元の名声を世界に広め、リモージュは「磁器の街」としてヨーロッパ全土に知られるようになりました。作品に窯印(メーカーズマーク)を刻印する習慣が定着したのも、この時期からです。
リモージュ磁器は、地元産の上質なカオリンを惜しみなく使い、12世紀以来の七宝焼の装飾技法を取り入れながら、白磁の質と色彩表現を追求してきました。研究の積み重ねにより、濃紺・ローズ・ブラウン・イエローなど、多彩な色を磁器の上で安定して表現できる釉薬技術を確立しています。
現代のヨーロッパ陶磁器産業では、生産拠点を国外に移すブランドも少なくありません。そのなかで、リモージュ磁器は「メイドインフランス」を守り続けるブランドが多いことで知られます。優美な色使いと日常に寄り添う使い勝手を、今もフランス国内の工房で作り続けるこだわり。それがリモージュ磁器の現代的価値です。
HERITAGE BRANDS
本ル・ノーブルで過去にお取り扱いのあったリモージュ磁器3名窯の輪郭を記録としてまとめました。いずれも現在は取り扱いを一時中止しております。
1824 · J.L COQUET
1824年創業のリモージュ磁器メーカー。斬新なデザインと鮮やかな色彩で知られ、フランスの百貨店ギャラリー・ラファイエットにも常設されてきた歴史を持ちます。「食器は美味しく食べるために存在するものであり、使う喜びがなくてはいけない」というジャン・ルイ・コケの思想のもと、熟練した職人が一点ずつ手作業で仕上げる工房です。料理と一体となった「食の芸術」を担う窯として、リモージュ磁器のなかでも独自の存在感を保ってきました。
● 現在、お取り扱いを一時中止しております
JACQUES PERGAY
自然からインスピレーションを得た繊細なモチーフと、クラシックとモダンが融合した可憐なデザインを得意とするリモージュ磁器の工房です。ひとつひとつ熟練した職人によって手間と時間をかけて手作りされる作品は、世界中にファンを擁しています。電子レンジ・食洗機にも対応しており、現代の食卓に取り入れやすい設計が特徴です。
● 現在、お取り扱いを一時中止しております
1826 · DESHOULIERES
1826年創業の老舗リモージュ磁器メーカー。品質・デザイン・生産規模いずれの面でもリモージュを代表する窯として知られ、フランス国内のみならず世界中の一流ホテル・レストラン・一般家庭で愛用されてきました。エスニックな要素を取り入れながらもフランスらしいカラフルで生活感のあるデザインが特徴です。フランス政府より100%フランス製である旨の証明書も発行されています。
● 現在、お取り扱いを一時中止しております
FAQ
リモージュ磁器とは、フランス・リムーザン地方の中心都市リモージュで1771年以降に製造されてきた硬質磁器(高温焼成の白磁素材)の総称です。J.L コケ・ジャック・ペルゲイ・デズリエなど、独立した複数の窯元が「リモージュ磁器」を構成します。「白い宝石」と称される白さと、メイドインフランスの製造体制で知られます。
17~18世紀のヨーロッパでは、東洋から渡来した白磁が王侯貴族の蒐集対象となり「白い宝石」と称されました。1709年のマイセン創窯(欧州初の硬質磁器)に続き、1771年からリモージュでも硬質磁器の生産が始まり、リモージュ磁器も「白い宝石」の名を分かち合うブランド群となりました。
リモージュには複数の独立した窯元があり、本ル・ノーブルで過去にお取り扱いがあった代表的な名窯は、J.L コケ(1824年創業)・ジャック・ペルゲイ・デズリエ(1826年創業)の3窯です。それぞれ意匠の方向性が異なり、リモージュ磁器の幅の広さを物語っています。
本ル・ノーブルでは、リモージュ磁器ブランド(J.L コケ・ジャック・ペルゲイ・デズリエ)のお取り扱いを現在一時中止しております。取り扱いの再開時には、本ページにて改めてご案内いたします。
FOR THE FUTURE
リモージュ磁器ブランドの取り扱いは、現在一時中止しております。再開の際は、本ページにて改めてご案内いたします。今後リモージュ磁器に関する企画やコラムを準備する場合も、本ページを起点にお届けする予定です。
POPULARITY RANKING
NEW FEATURE
POPULAR BRAND
BEST SELLING RANKING