
マイセン スワンサービス ホワイト ティーカップ&ソーサー 150ml
Ippin · Meissen Meister · Part 2 · Kaendler
ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(1706-1775)/スワンサービス/リミテッドエディション
1731年、25歳の彫刻家ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーは、アウグスト強王に見出されてマイセン工場の主任彫刻家となりました。以降40年以上、磁器を「皿の絵付け」から「立体造形の芸術」へと押し上げた人物です。スワンサービス、現代のリミテッドエディションへと連なる「磁器を彫る」という思想を、後編ではケンドラーという一人の彫刻家を主軸に辿ります。
Prologue
前編では、マイセンの作品を「至宝」「物語」「立体造形」「定番」の4章で横断し、マイスター(最高位職人)の手仕事を辿りました。後編となる本特集は、マイセンに「立体造形」をもたらした人物――ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(Johann Joachim Kaendler, 1706-1775)に焦点を当てます。1731年、25歳の彫刻家ケンドラーは、アウグスト強王に見出されてマイセン工場の主任彫刻家となり、以降40年以上、磁器を「皿の絵付け」から「立体造形の芸術」へと押し上げました。300年経った今もマイセンのリミテッドエディションが受け継ぐのは、ケンドラーが拓いた「磁器を彫る」という思想です。
Chapter 1 · August the Strong & Kaendler
18世紀前半のヨーロッパは、東洋磁器に憧れた王侯貴族が「自国でも磁器を作りたい」と競った時代でした。ザクセン選帝侯アウグスト強王(1670-1733)もその一人で、1710年にマイセン窯を設立しています。当初の磁器は東洋からの写しが主でしたが、強王は「平面の絵付けだけでなく、立体の彫刻も磁器でやってみよ」と命じました。1731年、25歳のヨハン・ヨアヒム・ケンドラーが工場主任彫刻家として迎え入れられます。当時のヨーロッパは大航海時代の延長で、エキゾチックな動物園が王宮の流行であり、ケンドラーは「磁器でつくる動物園」というアウグスト強王の構想を具現化しました。象、サイ、ライオン、オウム──実物を見たことのない動物すら、伝聞と版画から想像して造形しています。実物の象を見ないまま絵付師が象を描いたと伝えられる逸話は、そうした時代の空気を物語っています。
Chapter 2 · Schwanenservice 1737-1741
ケンドラーの代表作のひとつが、1737年から1741年にかけて制作された大規模食器セット「スワンサービス(Schwanenservice)」です。アウグスト3世の宰相、ハインリヒ・フォン・ブリュール伯爵のために作られた約2,200ピース構成の磁器セットで、その名の通り白鳥が中心モチーフとなっています。プレート、テリーヌ、カップ、ソース入れ、燭台に至るまで、すべての器に水鳥や水生植物のレリーフが浮き彫りで施されています。「磁器の表面を彫る」というケンドラーの思想が、最も大規模に展開された記念碑的シリーズです。本特集ではスワンサービス ホワイトのティーカップ&ソーサーと、タンブラー型カップの2種を採用しました。日常使いに溶け込むカップアイテムを通じて、ケンドラーが手がけた約280年前の意匠が今もマイセンの工房で再現されていることをお伝えします。
Chapter 3 · Limited Edition · Modern Heritage
ケンドラーが拓いた「磁器を彫る・磁器で人物や動物を造形する」という伝統は、現代のマイセンでは「リミテッドエディション」シリーズに継承されています。毎年限定数のみ製造され、剣マークのロゴ下にシリアルナンバーが刻印され、ペインターのサイン入り証明書が付きます。本特集では「オウムと中国人」を採用しました(前編 ippin_meister_1 と共通の作例です)。300年前のケンドラーが「磁器で東洋人を彫った」その意志を、現代マイスターが受け継いだ作例といえます。なお、リミテッドエディションは限定生産・完売後の補充がないため、過去LPで紹介した「ゾウに乗るペルシャ人」「LE2005 ライオン/象/中国の獅子」などの名作は、現在は完売・廃番となっています。
Heritage · Discontinued Masters
ケンドラーの造形美学を継ぐ過去のリミテッドエディション、エンジェル人形、波の戯れ、鳥シリーズなどは、現在は完売・廃番のものも多くございます。マイセンのリミテッドエディションは限定生産が原則のため、ご興味のあるシリーズはシリーズページから取扱状況をご確認いただければ幸いです。スワンサービスは現在も継続生産されており、ケンドラーの伝統に最も近づける入口です。
Epilogue
ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーが1731年にマイセンに迎えられてから、約300年。彼が拓いた「磁器を彫る」という思想は、いまもマイセン工房の根幹にあります。前編で辿ったマイスターの手仕事と、後編で辿ったケンドラーの造形革命──この2つは、マイセンを300年たらしめている双輪です。手のひらに収まる一杯のカップに、その双輪のひとつが宿ります。
FAQ
1706-1775年、マイセンの主任彫刻家です。1731年25歳でアウグスト強王に見出され、以降40年以上、磁器を「絵付けの皿」から「立体造形の芸術」へと押し上げた人物として知られます。スワンサービスをはじめとする多くの名作を残し、現代のリミテッドエディションにもその造形美学が継承されています。
1737-1741年にケンドラーが、アウグスト3世の宰相ハインリヒ・フォン・ブリュール伯爵のために制作した約2,200ピース構成の大規模食器セットで、白鳥が中心モチーフだったことに由来します。プレート、テリーヌ、カップなど全ての器に水鳥や水生植物のレリーフが浮き彫りで施されています。
毎年新作が限定生産されますが、完売後の補充はございません。過去の名作(ゾウに乗るペルシャ人、LE2005 ライオン/象/中国の獅子など)は完売・廃番のものが多くあります。最新の入荷状況はリミテッドエディション シリーズページからご確認ください。
リミテッドエディションには、マイセンの剣マークロゴの下にシリアルナンバーが刻印され、ペインターのサイン入り証明書が付きます。世界に何点製造されたかと、その個体が何番目かを示す番号で、コレクター価値の証になります。
前編(ippin_meister_1)は「至宝・物語・立体造形・定番」の4章でマイセンの作品を横断的に紹介しています。後編(本特集)は人物「ケンドラー」に焦点を絞り、彼が拓いた造形革命と、それがスワンサービス・現代リミテッドエディションへ継承される系譜を辿る読み物構成です。
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