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逸品|ヘレンド シノワズリ ─ 東洋への憧れが生んだ8シリーズ

ヘレンド マカオグリーン MACV マンダリン ラージカップ&ソーサー ターコイズグリーン地に牡丹と鳥 マンダリン取手のシノワズリ意匠

Ippin · Herend · Chinoiserie

逸品
ヘレンド シノワズリ
東洋への憧れが生んだ8シリーズ

西安/カキエモン/ポワッソン/マカオ/上海/カール/ゲデレ/黒地紅梅/ファンタジー

マルコポーロやヴァスコ・ダ・ガマの時代以降、ヨーロッパは東方を空想的な憧れの対象として見つめてきました。1826年創業のハンガリー名窯ヘレンドは、19世紀以来、20シリーズを超えるシノワズリを世に送り出しています。本特集では現行のシノワズリ8シリーズ・全11点を一望し、東洋意匠の遊び心を辿ります。

Prologue

マルコポーロから約700年、東方への憧れ

中世ヨーロッパは、東方を空想的な憧れの対象として見つめてきました。マルコポーロが伝えた東方見聞録、ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路開拓──これらが「シノワズリ(中国趣味)」と呼ばれる東洋意匠への熱狂を生み、ヨーロッパ磁器に独自の発展をもたらしました。ハンガリー名窯ヘレンドは、19世紀以来、20シリーズを超えるシノワズリを世に送り出してきました。17世紀の東洋磁器が持っていたファンタスティックな迫力を、ヘレンド独自の自由闊達な造形で復刻する──そこには「東洋への憧れから生まれた遊びの世界」が広がります。本特集は、現行のシノワズリ8シリーズを並べ、各シリーズの個性を一望する構成です。

Xian · SN / SJ

西安 ─ 中国古都の名を冠する黒と黄

西安の黒(SN)と西安の黄(SJ)は、中国古都・西安の名を冠したヘレンドの代表シノワズリです。黒地に金彩で吉祥紋を描く SN、黄地に花鳥を散らした SJ──二色の対比が、東洋の宮廷意匠を現代テーブルに召喚します。本特集では西安の黒のプレート12.5cmと、西安の黄のマンダリン取手付きミニティーポットを採用しました。マンダリン取手は、中国清朝の官吏「マンダリン」をモチーフにした、ヘレンドのちょっと愛らしい遊び心の証です。

Kakiemon · Poisson

カキエモン × ポワッソン ─ 東洋陶磁の翻案

カキエモン(SKA)は、有田焼の柿右衛門様式をヘレンド流に翻案したシリーズです。乳白色の地に赤・黄・緑の繊細な絵付けが施されます。ポワッソン(PO)は「魚」を意味するフランス語で、東洋風の魚モチーフをヘレンドが造形したシリーズです。本特集ではいずれもマンダリン取手付きのラージカップ&ソーサーを採用しました。柿右衛門の系譜と、東洋の魚意匠──二つの翻案が一卓で対話します。

Macao · MACV

マカオ ─ 東西文化交流の境界

マカオグリーン(MACV)は、ポルトガル領マカオの東西文化交流を起源とするシリーズです。グリーン地に金彩で東洋意匠を施し、ヨーロッパとアジアの境界線を磁器で表現します。本特集ではマンダリン取手付きラージC&Sと、プレート12.5cmを採用しました。同シリーズ内でカップとプレートを揃えれば、シノワズリのコーディネートが完成します。

Shanghai · Carl · Godolo

上海 × カール × ゲデレ ─ 都市と紋様

上海(SH)は中国近代都市・上海の名を冠したシリーズで、東洋的な情緒を伝えます。カール(CU)は曲線的なシノワズリ意匠で、繊細な線描が特徴です。ゲデレ(G)はハンガリー王室の夏の宮殿「ゲデレ宮殿」由来の名前を持ち、シノワズリでありながらハンガリー王室の格式を伝えます。本特集では上海のプレート12.5cm、カールのマンダリン取手付きラージC&S、ゲデレのプレート12.5cmを採用しました。それぞれが東洋とハンガリーの異なる接点を伝える、3シリーズの並列です。

Decor · Kokuji Baika · Fantasy

黒地紅梅 × ファンタジー ─ 装飾品と置物

黒地紅梅(PFNC)は、黒地に紅梅を描いた東洋情緒の濃いシリーズで、ベース(花瓶)や小物にも展開されています。本特集ではミニベース蓋付き9cmを採用しました。ファンタジー(C)は、ヘレンドの「遊び心」を体現する装飾品ラインです。透かし彫り(オープンワーク)の繊細な装飾が施された小物群で、本特集では透かしボンボン入れ(つぼみ意匠)を採用しました。装飾品としても贈り物としても、ヘレンドの匠の技を凝縮した一点となります。

Master Painter · 3画風認定制度

マスターペインター ─ 東洋画の認定絵師

ヘレンドの「マスターペインター」は、中世末頃に北ヨーロッパで生まれた職人身分「マスター」を現代に継承する制度です。ヨーロッパの写実画、シノワズリなどの東洋画、ペルシア風細密画──この3つの画風で認定委員会の審査をパスした絵師のみが「マスターペインター」の称号を得られます。彼らの作品は「マスターピース」と呼ばれ、サインを入れる権利が与えられます。シノワズリの繊細な手描きは、まさにこのマスターペインターの技そのものです。

Heritage · Discontinued Chinoiserie

廃番シノワズリシリーズ ─ Heritage

旧LP(2025年以前)で紹介された牡丹(PVI)、赤地菊(CHRY)、カントン(CANTON)、黒地白梅(PFNB)、東方の楽園(ZO/ZOVA)、ミラマーレ(MRT)、中国の鳥(OC)などのシノワズリシリーズは、現在は主要アイテムが完売・廃番となっているものが多くございます。ヘレンドのシノワズリは限定生産・継続的補充の少ない伝統工芸品のため、ご興味のシリーズはシリーズページから取扱状況をご確認いただけますと幸いです。

Epilogue

マルコポーロから約700年、ヘレンドの200年

マルコポーロから約700年、ヘレンドの200年──東洋への憧れは、磁器の上で形を変えながら現代まで受け継がれてきました。本特集の8シリーズは、その「東洋への憧れの遊び」の現代の入口です。一点を選ぶことは、シノワズリ400年の系譜のひとつに触れることを意味します。

FAQ

よくあるご質問

Q1. シノワズリとは何ですか?

フランス語で「中国趣味」を意味し、17-18世紀のヨーロッパで流行した東洋への憧れから生まれた装飾様式です。マルコポーロやヴァスコ・ダ・ガマの時代以降、東方への空想的な憧れがヨーロッパ磁器に独自の発展をもたらしました。ヘレンドは19世紀以来、ハンガリー独自のシノワズリを生み出してきました。

Q2. マンダリン取手とは何ですか?

ティーポットなどの取手部分が、中国清朝の官吏「マンダリン」をモチーフにした人物造形になっているデザインです。ヘレンドの「ちょっと愛らしくて、遊び心をくすぐる」シノワズリの象徴的なディテールです。

Q3. マスターペインターとは?

ヘレンドの最高位絵師の称号です。中世末の北ヨーロッパで生まれた職人身分「マスター」を現代に継承する制度で、ヨーロッパの写実画、シノワズリなどの東洋画、ペルシア風細密画の3画風で認定委員会の審査をパスした絵師のみが認められます。マスターペインターの作品にはサインを入れる権利が与えられます。

Q4. 吉祥紋とは何ですか?

中国の伝統的な「幸運のシンボル文様」のことです。長寿、繁栄、福徳などを願って器物に飾られる紋様で、ヘレンドのシノワズリ各シリーズにも頻繁に取り入れられています。

Q5. カキエモンと有田焼の関係は?

カキエモン(SKA)は、日本・有田焼の柿右衛門様式の系譜にあるシリーズです。乳白色の地に赤・黄・緑の繊細な絵付けが特徴で、17世紀にヨーロッパへ渡った柿右衛門様式の影響を、ハンガリー名窯が独自に展開した一例です。

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