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京焼・清水焼と廣田硝子|日本の美意識が交差する食卓

日本の美意識が交差する食卓 ─ 京焼・清水焼の伝統技法と、東京・廣田硝子が紡ぐ大正浪漫のガラス

Kyo-Yaki / Hirota Glass / Cunyo Kyoto — Kyoto Aesthetics Journal

日本の美意識が交差する食卓|京焼・清水焼の伝統技法と、東京・廣田硝子が紡ぐ大正浪漫のガラス

場所を越え、時代を越えて響き合う。職人の手仕事が織りなす「和の意匠」の現在地。

平安京の時代から伝統を磨き上げ、七宝紋や金襴手といった精緻な美を極めてきた「京焼・清水焼」。そして明治32年、東京・墨田区に産声を上げ、日本のガラス工芸を牽引し続ける「廣田硝子」。

本企画は、京都の圧倒的な装飾美と、東京の下町で受け継がれる小粋なガラス職人の技、さらにはウィーンの名窯「アウガルテン」と融合した現代の京薩摩まで、日本の優れた意匠を多角的な視点で巡る特別なジャーナルです。

磁器に宿る鉄の重厚感を再現した鉄瓶急須、卵の殻のように薄く引かれたエッグシェル、そして大正期のモダンな空気を今に伝える「大正浪漫硝子」のそばちょこ ── それぞれのマテリアルと職人の情熱が交差する瑞々しい食卓の風景を、どうぞお楽しみください。

京の意匠 — 京焼・清水焼 / 廣田硝子 / 京薩摩

京焼・清水焼は、京都で焼かれてきた陶磁器の総称です。平安京の時代から続く焼物の伝統を、江戸期以降「京焼」「清水焼」の名で結晶化させ、七宝紋・金襴手・卵殻手といった精緻な装飾技法が発達。明治期以降は両者をほぼ同義で用い、現代では「京焼・清水焼」と併記するのが一般的です。

廣田硝子は1899年(明治32年)、東京・墨田区に創業した硝子工房です。明治期からの手吹き技術を継承しつつ、大正・昭和の硝子意匠を「大正浪漫硝子」で現代に復刻。BAMBOO、あられ、東京復刻ガラスなど、和食卓と洋食卓を行き来する作品群を展開しています。

京薩摩は、明治初期に薩摩焼の影響を受けて京都で発展した磁器の系譜。緻密な絵付と金彩で「京の絵付」を世界に知らしめました。現代の京薩摩はその技法を継承し、オーストリア・ウィーンのアウガルテン磁器工房(1718年創立)の白磁素地と組み合わせた別注品を展開しています。

京焼・清水焼の伝統技法、廣田硝子の大正復刻、京薩摩のコラボ ── 場所や時代を越えて「京の意匠」を巡る軸でひとつのジャーナルに編むのが本特集の試みです。京都の磁器、東京の硝子、ウィーンの白磁。それぞれの素材と技が交差する地点に、現代の食卓の楽しみがあります。

京焼・清水焼 鉄瓶急須 — 磁器に宿る鉄の意匠

京焼・清水焼の「鉄瓶急須」は、磁器の急須に鉄絵(てつえ)の釉薬技法と鉄蓋を組み合わせた連載シリーズ。鉄瓶のような重厚な意匠を、磁器の手軽さで持ち合わせる独特の存在。茶卓に置いたときに鉄瓶の風格を漂わせつつ、磁器ならではの軽さと洗いやすさで日々の煎茶・玉露・熱燗に向き合えます。

本物の鉄瓶(南部鉄瓶等)は重量があり、内側の手入れ(錆の管理)も必要。一方、京焼・清水焼の鉄瓶急須は磁器の素地ですから、軽く、洗いやすく、日常使いが容易。日本酒の熱燗・煎茶・玉露の抽出に向き、応接の卓上にも物語性のある一品として置けます。

旧シリーズは14点展開(染付桜詰・染付紅葉詰・彩雲錦詰・彩赤絵・瓢箪唐草・銀彩松葉等)でしたが、多くが廃番進行。現在ル・ノーブルでお取り扱いしているのは、M0135 金銀彩鶴(510ml・鉄蓋付)の1点のみ。鶴の意匠を金銀彩で精緻に施した、希少な一品となっています。

京焼・清水焼 — 七宝紋・金襴手・卵殻手の技

京焼・清水焼の代表的な装飾技法には、七宝紋(しっぽうもん)・金襴手(きんらんで)・卵殻手(らんかくで)があります。七宝紋は円を四方に重ねた幾何文様で、平和・円満の象徴。金襴手は赤絵と金彩を組み合わせた華やかな絵付で、江戸後期から京焼で発展。卵殻手は卵の殻のように薄手の磁器を引く技法で、光を透かす繊細さが特徴です。

抹茶碗は茶道で用いられる碗ですが、現代では日常の煎茶碗、冷抹茶ラテのカップ、汁物の小鉢としても活躍。ティーポットには2形態があり、注ぎ口のある「石瓶(せきびん)」は煎茶・紅茶用の一般形、注ぎ口のない「宝瓶(ほうひん)」は玉露をゆっくり抽出する茶人向け器です。

洸春窯(こうしゅんがま)は京焼・清水焼の窯元で、高島慎一氏が当代を担います。本特集で紹介するティーポット(石瓶)S0211 白磁金銀彩七宝紋は、洸春窯/高島慎一氏が手がけた一品。白磁素地に金銀彩で七宝紋を施し、真鍮ハンドルを組み合わせた現代的な意匠が特徴です。

NISHIKAWA JAPAN KATA は、西川貞三郎商店オリジナルの現代モダンライン。マットイエローの素地に七宝文様を施したティーポット、卵殻手で薄く引いたティーカップ&ソーサーなど、伝統技法を現代の食卓へ翻訳する企画です。大鉢 NK0160 彩雲錦御所車は、御所車モチーフで祝い席を演出します。

廣田硝子 大正浪漫硝子 — 大正期の文様を現代へ

廣田硝子は1899年(明治32年)、東京・墨田区に創業した手吹き硝子の老舗。創業以来120年以上、職人の手吹き技術を継承し、明治・大正・昭和の硝子意匠を現代に伝える企画を多数展開。「大正浪漫硝子」や江戸切子の復刻でも知られます。

「大正浪漫硝子」は、大正時代に流行した硝子意匠を現代に復刻したシリーズです。大正期は西洋文化と日本の伝統文様が融合した時代で、ガラス器にも市松・水玉・十草といった和文様が施されました。廣田硝子はこの時代の意匠を、現代の食卓に合うサイズと用途で復刻しています。

市松は正方形を交互に並べた幾何文様で、平安期から続く日本の代表文様。水玉は丸の連続でモダンな印象。十草は縦縞の細い線ですっきりとした和の意匠。波は波文を抽象化した曲線文様で、流れる動きを感じさせます。それぞれ144ml のそばちょこ(ロックグラス)の形で展開しています。

そばちょこは元来、蕎麦のつゆを入れる器ですが、現代では冷酒・ロックグラス・副菜小鉢としても活用可。144ml の容量は日本酒の1合(180ml)よりやや小さく、ウイスキーロック・ジントニック・冷茶・酢の物の盛り付けにも適します。和洋の食卓を行き来する万能の小鉢です。

廣田硝子 BAMBOO・あられ — 和文様の現代解釈

BAMBOO は廣田硝子の竹モチーフシリーズ。白竹(W)・青竹(GR)・金竹(AMB)の3色展開で、ぐいのみ小・ぐいのみ大・ビールグラス・長注器の4形態が用意されています。竹は古来から日本で吉祥モチーフとされ、健やかな生長と節度の意。ガラスに竹のシルエットを表現し、和の意匠を現代の食卓へ。

白竹はクリアな涼やかさ、青竹は爽やかな緑、金竹は琥珀のような温かさ ── 3色それぞれが季節と料理に呼応。ぐいのみは日本酒・焼酎を、ビールグラスはクラフトビール・ハイボールを、長注器は燗酒の徳利として、和の酒卓を支えます。

あられ — 雪・月・花の三景

あられは、表面に小さな粒状の凹凸を施した硝子の意匠技法です。雪あられ(クリア)・月あられ(アンバー)・花あられ(ピンク)の3色で、タンブラー・豆皿・小皿が揃います。雪・月・花の三景は日本の伝統的美意識で、四季の移ろいを食卓に映します。雪あられタンブラー300mlは冷茶・冷酒・ハイボールに、月あられ豆皿11cmは薬味・漬物・和菓子の小品として活躍します。

現代の京薩摩×アウガルテン磁器工房 — 和洋の融合

京薩摩は、明治初期に薩摩焼(鹿児島の磁器・象牙色の素地に金彩と緻密な絵付)の影響を受けて京都で発展した磁器ジャンル。明治政府の殖産興業政策で輸出向け工芸品として発達し、欧州の博覧会で高評価を得ました。「京の絵付」が世界に知られた時代の遺産です。

アウガルテン磁器工房は、1718年(正徳8年)にオーストリア・ウィーンで創立された欧州磁器の名門。ハプスブルク家の宮廷御用達として発展し、現代もウィーン郊外のアウガルテン宮殿内で磁器を製造。マイセン窯と並ぶ欧州磁器の伝統工房です。

本特集で紹介するのは、現代の京薩摩の絵付技法をアウガルテンの白磁素地に施した別注品。日本の絵付とオーストリアの磁器がひとつの器で出会う、稀少なコレクションです。山水(桜)・山水(富士山)の小皿、花詰のフタ付小壺。和洋の融合を象徴する3点を取り扱っています。

絵付を担当するのは伝統工芸士・小野多美枝氏(-空女-)。京薩摩の絵付技法を継承する数少ない職人のひとりで、一点ずつ手作業で絵付。山水画の構図、桜・富士山・花詰のモチーフ、いずれも京薩摩の伝統技法を踏まえた緻密な絵付です。

贈り物として — ラッピング・熨斗のご用意

京焼・清水焼、廣田硝子、現代の京薩摩 ── いずれも贈り物に選ばれてきた品々です。京都の磁器、東京の硝子、ウィーンの白磁が交差する物語性、伝統工芸士・実在作家の手仕事、和洋融合の意匠が、大切な方への贈り物にふさわしい背景となります。ラッピング・熨斗のご用意もございます。詳細は下記のギフトサービスのご案内をご確認ください。

よくあるご質問

Q1: 京焼と清水焼の違いは?

京焼は京都で焼かれる陶磁器の総称、清水焼はそのうち清水寺周辺で発展した磁器を指す名称です。明治期に「京焼」「清水焼」が併用され、現代では両者をほぼ同義で扱うことが多くなっています。西川貞三郎商店は京焼・清水焼の専門商社として、七宝紋・金襴手・卵殻手の伝統技法を継承しています。

Q2: 「鉄瓶急須」は本物の鉄製鉄瓶ですか?

いいえ、京焼・清水焼の磁器製急須に「鉄瓶のような重厚な意匠」を施したものです。鉄絵(てつえ)の釉薬技法や鉄蓋を組み合わせ、鉄瓶の意匠を磁器で再現。日本酒の熱燗・煎茶・玉露の抽出に向き、本物の鉄瓶よりも軽量で日々の手入れも容易です。

Q3: 廣田硝子の「大正浪漫硝子」はどんなシリーズですか?

廣田硝子(創業1899年・東京墨田区)が大正時代の硝子意匠を現代に復刻したシリーズです。市松・水玉・十草・波・つなぎ格子等の伝統文様を、そばちょこ・酒盃・氷コップの形で展開。和食器とも洋食器とも相性が良く、京焼・清水焼との取り合わせもおすすめです。

Q4: 「現代の京薩摩×アウガルテン磁器工房」のコラボとは?

京薩摩(明治初期、薩摩焼の影響を受けて京都で発展した磁器)の絵付技法を、オーストリア・ウィーンのアウガルテン磁器工房の白磁素地に施した別注品です。伝統工芸士・小野多美枝氏(-空女-)が一点ずつ絵付。和洋の融合を象徴するコレクションです。

Q5: 京焼・清水焼の食器は食洗機・電子レンジに対応していますか?

一般に、金彩・銀彩・絵付が施された京焼・清水焼の食器は食洗機・電子レンジの使用をお控えください(絵柄が剥離する恐れがあります)。お手入れは中性洗剤と柔らかいスポンジで手洗いし、自然乾燥か柔らかい布で拭いてください。

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