キルトジャケット発祥の地としても有名なイギリス北東部の小さな美しい村「ラベナム」。傾いた家々が立ち並ぶ様子はふしぎの国に迷い込んだ気分になれます。この傾きは「ハーフティンバー」と呼ばれるイギリス独自の木造建築を500年以上もの間、修繕をくりかえし大切に住んでいる証です。保存建築に指定された建物も340軒以上あるそうです。壁の可愛らしいピンク色「サフォーク・ピンク」は元々、初夏に白い花を咲かせるエルダーフラワーの実(エルダーベリー)や赤みがかった土を混ぜたものを染料として作られていました。ラベナムの個性的な家並みからは、自然からもらい受けた鮮やかな色彩と古き伝統を大切に守りながら暮らしていくラベナムの町の人の心が感じられます。
絵本に迷い込んだかのような美しい自然の風景が残る、イギリス北西部に位置する湖水地方。英国ロマン派の詩人であるワーズワースに愛され、ピーターラビットの作者であるビクトリクス・ポターが住んでていた土地としても有名です。
湖水地方に見られる住居は、この地域で採取される黒っぽい石灰石を積み上げた素朴な構造が特徴です。また、その石灰石に白い漆喰を塗装した家も多くみられ、絵本から飛び出してきたかのような可愛らしい印象を受けます。自然豊かなこの地方の住居の周りには色とりどりの花が咲き乱れ、建物との美しいハーモニーを奏でています。
アーサー王伝説で名が知られる「グラストンベリー」はパワースポットとしての一面も持ち合わせています。聖なる泉「チャリスの井戸」には世界中からその聖水を求めて訪れる人が絶えません。辺りには草花が咲き静かに豊かな時間が流れるチャリスの井戸。井戸の蓋にあしらわれたシンボルマークは、二千年前から人々にとって信仰のための聖なるシンボルでした。2つの重なり合った円は「天と地」「精神世界と物質世界」「陰と陽」など異なる2つの要素の交差と融合を現しています。
あふれんばかりの自然に囲まれた、ロンドン西方に広がる丘陵地帯「コッツウォルズ」。160kmにわたって小さな村が点在しています。ポットに再現されている黄色い外壁は「ハニーストーン」と呼ばれ、このエリアで採れるはちみつ色のライムストーン(石灰石)をモデルにしています。世界で最も魅力的だと言われるこの石は、太陽の光をめいっぱい吸収したかのような濃厚なハチミツ色で、見る人を元気にしてくれます。コッツウォルズのはちみつ色の家々の愛らしさを、さらに引き立てるのがペンキ部分の色使い。最もポピュラーなペンキの色は「セージグリーン」色で、スモーキーで上品な色味が外壁のハチミツ色になんとも良く似合います。
粘土、わら、小石、石灰石のチョーク(白亜)を混ぜ合わせて何層にも塗り重ねていく「コブ」という工法が用いられた土壁と、茅葺屋根が特徴的なピクチュアレスク・コテージと呼ばれる建物です。ピクチュアレスクとは、イギリス風景式庭園における考え方の一つで、装飾性を加味して絵画のように美しい庭園構成を表現することを意味する言葉です。イングランドの南西端に位置するコーンウォールは、本土最南端に位置しており温暖で自然豊かな土地です。この地域に見られる伝統的な、ぽっこりと愛らしい建物がモデルです。
黒い木骨柱と白い漆喰壁が織り成す「縞模様」や「幾何学模様」の外壁が特徴的。ハーフティンバー様式と呼ばれるイギリス独自の木造建築です。柱・梁・筋違など骨組みとなる部分を木材で密に組み、その間を煉瓦・石・土などで充填して壁としており、木の骨組みがそのまま外に現され素敵な装飾となっています。サッカーチームでも有名なマンチェスター。産業革命期に大きく発展したイングランド有数の都市として知られます。ハーフティンバー様式の住居は北方のヨーロッパでよく見られますが、15世紀から17世紀にかけて英国で盛んに建てられました。