創始者ジョン・エインズレイはスタッフォードシャーの炭鉱経営者でした。産業革命の追い風を受け、石炭の需要は増える一方。裕福な環境であった彼は、やがて趣味の陶器作りが高じ、1775年製陶工場を始めました。主にスポーツや政治的なイベントで使う銅板を利用した転写絵付けのビアマグなどが中心でしたやがてすぐれた描写力と高い技術により、彼の作品は高く評価されるようになります。その後を引き継いだ2世は時代の流れに敏感であり、イギリスで紅茶を飲む喫茶の習慣が定着したと見るや、ただちにティーセットの制作に着手、これも成功を収めました。経営者であり、自ら製造もこなす名工でもあった彼の時代に、エインズレイは大きく飛躍しました。3世の時代には、素地に骨粉を使ったボーン・チャイナが製品化されたのを知ると、素早くこれを取り入れ製品は全てボーン・チャイナとなり、エインズレイと言えば、ファイン・ボーン・チャイナの代表と言われるまでになりました。
エインズレイは、歴代の英国王室女性にも愛されました。ヴィクトリア女王はエインズレイの模様が格別お気に入りであったと伝えられ、そのため王室にならった貴族たちから注文が殺到して、生産が間に合わないほどでした。エリザベス女王や、故ダイアナ妃、2010年のウィリアム王子とキャサリン妃のご成婚の時にもエインズレイの製品が記念品に選ばれました。
100年以上前にブランドを代表するデザイン「スティル・ライフ・フルーツ」。これを基に1980年、ステファン・バーズレイ氏がオーチャードゴールドを完.成させました。純金を使用し豊かさを表現、濃密に描かれた果実の柄は英国高級陶磁器には欠かせないパターンです。
南ウェールズ地方のペンブロックシャイアーという首都の名です。ヘンリー7世の誕生で有名な城があり景観の優れた土地です。18世紀この地を訪れたデザイナーが、当時なかなか見る事の無い日本の伊万里焼を目にし、このパターンをデザインしました。1970年代に復刻し現在ではブランドを代表する作品の一つです。
イギリスの美しい庭園をイメージしたコテージガーデン。カップの外側とソーサーは、エアブラシで色が吹きつけられます。この濃く鮮やかなこってりとした色合いもエインズレイの特徴です。
2003年のデザイン。チーフデザイナーのポール・ヒューム氏が短い桜の開花時期に合わせて数年に渡って来日し、和洋折衷を完成させた傑作です。淡いピンクの桜の花をモチーフに、引き立たせ役の葉、そして赤いチェリーの実は心地よいアクセントを付け加えています。