雍正年間は琺瑯彩が確立した時期であり、皇室が特に重視した琺瑯彩磁器は、宮廷が自ら琺瑯の顔料を作り出し、加えて技術的にも進歩したことから、更なる繁栄の段階へと進みます。琺瑯彩磁器は、まず、白色琺瑯を磁器に施し、それをベースに多彩な絵付を施し、釉にはある種の油が加えられ、細かい線を流麗に描くことも、濃淡を表現することも可能になりました。そして皇帝の意を含んだ詩画の主題が、山水、花鳥の風景と合わせて表現され、新しい絵具を駆使した精緻な絵画が器の上に描かれ、この時代の主要な装飾文様となっていきます。素地を景徳鎮窯で作り,北京の宮廷内の工房において宮廷画家よって絵付けされていたといわれ、それゆえに格調が高く、現在の世界的なオークションでも非常に評価が高い作品です。
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